三連休、実家に帰り久々の読書。
内容全く知らずに読み始め
施設についても予備知識ゼロ。
それでもすーっと頭に入ってくる
柔らかさのある、
有川さんらしい作品でした。
テーマは重いはずなのに
軽いタッチで、気付けば一気に読了。
施設というものが
どんなところか知りもしないで
かわいそうだと言わないで欲しい
これは実際に入っている人にしか
言えないこと。
恐れずに言えばそれでもやはり
第一印象として「かわいそう」と
感じてしまうことは確かです。
けれどこの本を読んで
そうではないのかも知れない
自分のイメージだけで
測れるものではない
とも思うように。
「明日ママがいない」
について作中で言及していたり
施設の子たちが3万円の被服費を
やりくりしてユニクロで
買い物していたり
描写がリアルで
読書が想像しやすい
世界が広がっています。
「かわいそう」な部分を
フューチャーした泣かせる話
ではなく
フィクションではありますが
実際の生活にフューチャーした
知ってもらうための話
という感じでした。
有川さんの作品中には
特に男女間での
互いを思いやるが上の
ちょっとした機微の応酬
みたいなものが必ず出てきて
それがホッコリすると同時に
恥ずかしくなるのですが
今作では、それが控えめで
良いバランスでした。
映画とかドラマとかに
なりそうなにおいがしますが
変な演出するくらいなら
このまま本として
たくさんの人が読んだらいいなぁ
と思います。
有川さんに手紙を送った女の子は
今頃喜んでいるだろうな。
自分の願いがこんなさわやかな
ストーリーとして
世に落ちてくるなんて。
有川さんを選んで大正解だったね。
と最後のページを
じーんとしながらめくりました。
★★★★★