ソロモンの偽証・読了 | 永い言い訳

永い言い訳

母と娘の二人暮らしから、ステップファミリーへ
悲喜交々、日々の記録です。

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読み終わりました。
内容はもちろん読み応えが
ありますが、そのボリュームにも

『読んだー!!』

と達成感さえ感じる読後感。



同級生の死について
中学生が学校内裁判を起こす
というお話です。


いやいや、こんな中学生
いないでしょー!!

と頭の片隅で常に突っ込む
自分もいるのですけどね。


作者の都合の良いように
持って行きたいように
という無理矢理感を感じつつも


登場人物に魅了され
夢中になって読み進めている
自分もいる、という。


力技な作品でした。


登場人物も中学生、先生
それぞれの親、などなど
とっても多いのですが

親と子の関係についての
描き方がとても良かったです。


「何も言わないよ
それがあなたにとって
必要なことなら」


みたいなセリフが
何度か出てきて印象的でした。


それが必要かどうか
中学生にはきっとわからない
大人にだって、後にならなければ
わからない事が沢山あるけれど

けれど、それを必要なことだと
「思うかどうか」

を尊重する親の考え方が
素敵だな、と。


まあ本筋には関係ないけど。



本筋の方は、言い回しが難解だし
行動をもって気持ちを伝える
高度なコミュニケーションを
驚異的な理解力で
中学生がやってのけています。


思考能力が衰退した
34歳の「オバハン」は
ついていくのが大変でした。


後半からじょじょに
「大出俊次が犯人」
「柏木卓也は自殺」
意外の真実があるのではないか

という匂いがし始め
それにはおそらく
神原和彦が関わっている

期待を煽られながら
一気に読みました。


ソロモンはやはり
彼でしたね。


「最も知恵ある者が
嘘をついている」


タイトルの由来を
公式サイトで知りました。


映画化にあたってのキャストは
原作を読み終わったら
見てみようと思ったのですが


他はともかく
野田健一はまえだまえだではない。
弟ならともかくお兄ちゃんではない。

いや、弟でもないか。


ソロモンに関わらず
こりゃお見事!って思う
キャスティングって
なかなかないです。


想像しながら読むのが
小説の良いところなのですが

映画やドラマを先に見てしまうと
想像の楽しみが他人のイメージに
先導されてしまうので
原作を先に読むようにしています。


そうすると映画を後で観た時に
なんか違う感を抱えながら
観るはめにはなるのですが。


でもたまに、イメージとは違うけど
これはこれで良い!
という時もあるのでね


こないだのドラマの
【Nのために】
がまさにそうだったな。


まえだまえだ君も
私の想像とは違う
野田健一を演じてくれると期待


★★★★★