短編集でした。
それぞれに宝石の名前がタイトルに乗せられて、それをモチーフにストーリーが綴られていました。
最初、なんとなく読み進めるスピードが停滞していたのですが、
表題になった「サファイア」から最後までは一気に読みました。
「サファイア」から「ガーネット」は2作連作になっています。
最後の4行でじわっと涙が…
湊かなえさんの本に救いを見たのは初めてじゃないだろうか。
読了感の重い、独特の感じが今作にはあまりありませんでした。短編だからかな?
しかし、湊かなえさんの本はモノローグで進み、人物を内側から全て描いてしまうので、登場人物に可愛げというものが全然ない。
特に女性を描くときは、シビアですね。
本当に「可愛い」女性などこの世には存在しないのではないかという気がしてきてしまいます。
自分のなかにも存在するものを見てしまうからこそ、読んでしまうのかも。
怖いもの見たさで。
本当に「可愛い」女性がいるとしたら、
読まないだろうな、
湊かなえ。