【プラットフォーム】PS4 ※PS5
【対象年齢】CERO:Z(18才以上対象) 
【ジャンル】アクションシューティング(TPS)
【プレイ人数】1人
【発売日】2015年2月10日
【開発/発売】レディアットドーン/ソニー・インタラクティブエンタテインメント
【収録内容】
【その他】

パッケージ・DL

 

プレイステーションストアページ→「THE ORDER 1886

 

【あらすじ・導入部】

 

 1886年大英帝国、ウエストミンスター寺院地下墓地。主人公ガラハッド(グレイソン)は拷問を受けていた。衛兵(?)らの隙をついたガラハッドは地下墓地から抜け出すことに成功するが、騎士団に追い詰められ、川へと落下してしまう。ガラハットは騎士団を裏切った罪で拷問されていたのだった。

 

 ひと月前のこと。ガラハッドは騎士団に所属し、反乱軍の鎮圧などにあたっていた。騎士団(オーダー)は「半獣」に対抗するためにはるか昔に結成された組織であった。今は英国を護るためにあらゆる脅威と戦う組織となっていた。反乱軍を追いかけると、その影に半獣の姿がちらつき始める。反乱軍のアジトを調べ上げ、関係者の話を聞いているうちに、ガラハッドは自らが身を置く騎士団に疑惑を持ち始める。

 

 

 

 「The Order:1886」(PS4版)をプレイしましたので、感想をしたためたいと思います。ストーリーの詳細はZ指定用ブログに自分が理解した範囲で書いております。そちらはネタバレも事細かに書いてますので、未プレイの方はうっかり覗かないようお気を付け下さい。ここも全体的な総括みたいな感想なので、そこそこにネタバレしています。

 

 

 このゲームのジャンルはアクションシューティングです。サードパーソン(三人称視点)で操作キャラ(主人公)の背後から追いかける形で操作します。探索パートと戦闘パートがあり、戦闘は大まかに分けると銃撃戦と一対一での戦闘です。あとはステルスキルで進むパートもあります。

 

 主人公はガラハッドと呼ばれる男性です。一貫して彼視点でストーリーは進んで行きます。他にもグレイソン(グレイ)という名前でも呼ばれます。人やシチュによって呼ばれ方が変わるので、最初は戸惑うかもしれません。主人公だけではなく、他のキャラもそういう感じで呼び名が違うことがあるので、最初の方は誰が誰だか…となってしまうかもしれません。覚えれば逆に呼び方でその人の関係性や感情を推し量ることも出来るかと思います。

 

 

 主人公が所属している騎士団(オーダー)は円卓の騎士がモチーフ(?)になっていると思われます。なので詳しい人は名前に聞き覚えがあると思います。主人公のガラハッドやパーシバルなどは特に馴染みがあるかもしれないです。この名前は受け継がれていくもののようです。ゲーム内でそのような描写があります。

 

 聖杯からくみ上げられた「ブラックウォーター」を持つのが騎士の証となっています。現在は大法官と呼ばれる人物が騎士団を統べる存在となっていて、この人物は何世紀も生き続けていると考えられます。騎士団メンバーの中にはそういう人物が何人かおり、それはこの聖杯の加護でもあるかもしれません。実際このブラックウォーターは戦闘時に利用して復活出来るアイテムです。しかしこのような便利アイテムを使用しても完全に不死になるわけではないようです。

 

 騎士団は「半獣」と呼ばれる存在と戦うために結成されたと言われます。現在は「反乱軍」と呼ばれる反政府的な存在とも戦っている…という状態のようです。基本的に「大英帝国の治安・平和を守る」というのが騎士団の使命なのではないでしょうか。ストーリーを進めて行くことによって、そのような守護の面だけではない裏側が見えてきます。

 

 

 主にストーリー内で戦う半獣は「ライカン」です。狼に近い挙動をする半獣です。それと、おそらく「吸血鬼」も半獣なのかもしれません。作中変異して生まれた「純血種」という古の種族がいたことが語られます。この種族が半獣の祖先にあたるようです。半獣については詳しく描写されることはありませんが、様々な種がいるのかもしれません。人間の中に潜んで生活が出来る者もいるので人類とそう遠くない種族だと思われます。

 

 その証拠に、ストーリーではただの倒すべき化け物というだけではなく、かなり重要なポジションにいる存在です。

 

 

 …ここまではざっとストーリー内容についてまとめてみました。あとはその他のことについて、巷での感想も合わせてこのゲームについての個人的な感想を語ります。

 

 

 

 Z指定ということで、残酷な描写のあるゲームですが、個人的な感覚ではそこまで過激な描写はないような気がしました。映像がかなり綺麗なので残酷なシーンがリアルに見えると言えばそうかもしれません。残酷描写に慣れている今のゲーマー基準で考えると…ということなので、苦手な人はプレイを控えた方が良いレベルではあります。それとも全裸が駄目なのかな(…)。

 

 このゲームを調べてみると、ボリューム不足・ストーリーが未完だとありまして、評価としては賛否両論という印象です。プレイした感想を素直に述べると、ストーリーに関しての評はまぁ間違ってないとは思います(苦笑)。ボリューム不足は良いとしても(良いのか)、ストーリーはこれで良いのだろうかといった感じです。

 

 良い食材が揃っているからこそ、勿体ないの一言に尽きるのです。

 

 世界観はかなり好きです。史実の19世紀の大英帝国とは少し違い、近未来的な兵器なども登場するといったオリジナル要素も入っています。とはいえ、イギリスで有名だというアーサー王伝説がモチーフとなっていたり、実在の人物の名前もそこかしこに出て来るため、役割は兎も角歴史が好きな人はニヤリとする場面はあるんじゃないかなと。

 そして影で暗躍している「半獣」と呼ばれる人間に紛れる古来から存在するという生き物。それに対抗するために組織された騎士団。聖杯の秘密。なんともおいしい設定ではないですか。途中まで良い盛り上がりなんですよ。ドラマチックな展開で良いのですよ。それなのに、途中でぶっつり終わるのです。色々と気になる所があるのに…。

 

 時間軸がプロローグでやっていた騎士団から追われているガラハッドの所に戻ってきてからが本番というのが定石だと思うんですが、そこからがすっっごく短いんです。あとはもうラスボスにいって終わるみたいな…。だからストーリーについて不満を感じるプレイヤーの気持ちは分からなくもないです。私もそれなりに楽しくプレイしていたので、この流れに少々驚き、もう終わり?となったのは確かです。声優さんも豪華で上手い方ばかりなので没入感もあっただけに…。いや、マジで勿体ない。

 

 ただ、定石じゃなかったというだけ…と言えばそうなんですよね。これはこれで俺たちの戦いはまだまだこれからだENDなわけで、あり得ない終わりではない…等とおかしな方向で擁護していますが、納得出来るか出来ないかだけが良し悪しを決めるものではありませんからね。スタッフさんたちが全力を尽くしたというならそれで良いのです。もし言い訳や心残りがあるならなんとかしてくれませんか…というだけです。うん。

 

 万が一続きが出るんなら嬉しいです。

 

などと言っていますが、この泥沼が改善されるんだろうか、これ以上鬱な展開見せられるくらいだったらもうこのままの方が幸せかもしれないという気持ちもあってせめぎ合っております(ハピエン厨)。

 

 

 それでは、ストーリー以外について。

 

 映像は特に良くて2015年のゲームだけどすごく綺麗です。雰囲気が良くて丁寧な作りなのはすぐ分かりました。19世紀のイギリスは知らないけど、これは19世紀のイギリスなんだと思う説得力があります。背景、オブジェクトまでも作り込まれていると感じました。質感がすごく細かいというか…。あと、主要人物も顔の作りが丁寧で表情が細かいのでグラフィックの向上による感情表現に成功しているゲームだと思います。

 

 しかし、ちょっと気になったのは、画像に力を入れているというのがもしかしてバグに繋がっているのか…?と思うくらい、割とバグに遭遇することが多かったです。これは私のプレイにも問題があったかもしれないですが。TPSが得意ではないというのがありまして、無茶苦茶な動きをしてしまうという自覚はあります。そのせいで人がオブジェクトを突き抜けたり、ガラハッドの中身が見えてしまったり(!!)して動かなくなったりと、ちょっとヒヤっとするバグもありました。一応そういうバグだけでデータが吹っ飛ぶとか深刻なバグには出会ってないです。映像のバグくらいなら許容範囲です。

 

 

 システムについてはライトにゲームを楽しむ私には専門的なことは分からないんですが(苦)、ゲーム性があるかどうか…ではリプレイ性はないと言われていますが、それも少し納得です。キャラクターや武器を強化するという要素はなく、基本的にその場その場で持っていたり入手したり、敵が落としたりする銃火器を臨機応変に使いこなしていくので良く言えばリアル寄りではないでしょうか。

 強化して俺ツエエは出来ないけれど、ブラックサイトというエンペラータイムみたいなのはあります。それと深刻なダメージを受けてもすぐにゲームオーバーにはならず、騎士団の証であるブラックウォーターという復活出来るアイテムが使えます。…が、普通にポーションみたいに瞬時に回復出来るわけではなく、ボタン連打が必要ですから…。しかも敵に囲まれてたら結局猛攻撃を受けてゲームオーバーします(笑)。

 

 

 

 基本的には人間相手の銃撃戦が多いですが、普通の銃撃戦以外の1対1の戦闘ではQTEのようなシネメーレーというシステムが採用されています。これはQTEみたいに決まったキー入力だけではなく、強弱やタイミングをはかる攻撃をすると相手やこちらの次のアクションが変化すると…大雑把にいうとそういう感じかなと解釈しています。ゲームの紹介記事では半獣(ライカン)との戦闘に採用しているとありました。このゲームでは接近戦の場合はQTEのようなキー入力での戦いが割と多めです。ただ、ムービー中いきなりとかではなく、QTEきそうだなーというのがなんとなく分かりやすい作りにはなっていますが。

 

 銃撃戦、1対1のタイマン、そして他にはスニークキル(ステルスキル)で進める場面があります。これもボタン表示が出てタイミングよく押せば上手くいきますが、少しでもミスったら最初からになるのはちょっと辛かったですね(苦笑)。

 

 上記で書いたように、リプレイ性に関しては微妙かもしれませんが、ゲームとしては色々なシステムが組み込んであって刺激はあります。あとは鍵を開けるために色々な小道具を使用するんですけど、それもボタンをタイミングよく押さなければならず、脳から指への指令が微妙になりつつある年寄りの私は苦労しました。それもまた楽しいっちゃ楽しいと前向きに考えています。リハビリでしょう、これ。

 

 

 

【全体的に】

 

 最初に書いた通り非常に勿体ない部分があるゲームですが、気が付いたら楽しくプレイしていました。登場人物たちの意味深な会話だけではストーリーの把握がしにくい、物語に入り込みにくいというのも色々と言われてしまう要因のような気もします。これもリアルさを追求してしまうと仕方ない気がします。変に説明口調になるとリアルな映像な分不自然になりますし。

 

 何を採用し、何を捨てるのかという部分で徹底している硬派な感じは嫌いではないです。何と言っても映像がリアルで美しい作品が好きという方にはオススメ出来ます。男(オッサン)だらけの男の世界状態ではありますが…。いや、女子もいるけど、女子もまぁまぁ勇ましいので…(笑)。色恋や情を感じさせておいてリボルバーで撃ち抜くような、そんな印象でもう個人的には名作です。主人公のガラハッド、結構酷い目にあってて、私この悲愴感好きかもしれない…(ハピエン厨じゃなかったのか)

 

 楽しくプレイさせて戴きました、有難うございます。

 

 

 

 

→ 「The Order:1886」プレイ日記1 プロローグ~第4章「終わりなき戦い」

→ 「The Order:1886」プレイ日記2 第5章「アガメムノンの飛揚」~第10章「対立」

→ 「The Order:1886」プレイ日記3 第11章「戦友」~エピローグ「過ぎし日の騎士」(終)