CEUX QUI M'AIMENT PRENDRONT LE TRAIN
realisateur:PATRICE CHEREAU
artistique: ジャン=ルイ・トランティニアン
シャルル・ベニング
ヴァンサン・ペレーズ
パスカル・グレゴリー
シルヴァン・ジャック
上記写真、ちらし、パンフレット、サントラ3点揃っています。
これはお気に入りです。
監督、パトリス・シェロ―。先日70歳前にして亡くなってしまいました。
もうこの監督の作品を見れないと思うと、胸が詰まります。
今このサントラを書きながら、ブログを書いていますが、書いているうちに、
監督から私にもたらされた数々の感情がぽわんぽわんと浮かび上がって来ました。
そして胸を抑え込むのです。
思った以上に悲しいことに今気が付きました。
そもそもシェロ―さんは20歳で演出家としてデビュー、
70年代半ばからオペラの演出や映画製作に進出し頭角を表します。
バイロイト音楽祭でワーグナーの楽劇を斬新な趣向で演出したことでも
広く知られています。フランスでは名が知られたアーティストだと思います。
私はオペラの演出は見ていないので、映画監督のシェロ―さんしか知りませんが。
今日ご紹介する映画の筋書きは(チラシより)
「私を愛する者は列車に乗れ」ー亡くなった画家ジャン=バティスト(ジャン=ルイ・トランティニアン)
の遺言に従って、葬儀のためにパリからリモージュ墓地行きに乗り合わせたのは、彼を愛し、愛された人々ー元生徒たちとその恋人や家族、友人たち、思い出を語り、思いをぶつけ合いながら、今それぞれが抱えている愛の葛藤を、画家の言葉に満ちびかれるようにして乗り越えてゆく2日間の旅。それは死んでなお皆に影響を与え続ける画家からの、愛したものたちへの贈り物のような、光へ向かう旅であった。
ここまで書いて、少し恐ろしくなりました。
早熟な天才シェロ―さんは既に自分の死の場面を考えながら、映画を作ったのではないかと。
今フランスでは同じようなことが実際に起きているのではないかと。
ただ「映画を見た」という経験以上のものを今もなお、突き付ける。
この映画のほかのお気に入り点
その1 私の好きなジャン=ルイ・トランティ二アンが出ている。
↑いくつになっても色っぽい
その2 その他にも色っぽい美男がたくさん
その他にもパスカル・グレゴリーなどイケメンだらけ。
その3 音楽が良すぎる!
サントラ。すぐ買いました。このサントラで知ったミュージシャンもありました。
前にブログでも書いたCAKEというアメリカのバンドの「I WILL SURVIVE」もその一つ。
ビョークやジェームズ・ブラウン、ニーナ・シモンなどの有名どころも。
その頃英米で話題になっていて、私自身も好きだった
ポーティスヘッド、PJハーヴェイなどのミュージシャンの曲も入っていて
時代も意識した選曲。とても耳に残るラテンアメリカ系の歌なども入っています。
そして最後はマーラーの交響曲10番。
監督は幅白くいろいろな物を吸い上げ、自らの感性、知性、体力、全てのエネルギーを
結集して映画を作っていたのだなと思います。
そこには嘘がない。ものを作るために射るような視線をむけているその瞳の奥には
素直さと優しさがある。
そして表現したいものを全力で表現している力強さが。
アデュー
パトリス・シェロ―