Conductor:Charles Dutoit
Bunkyo Civic Hall
2013年 6月25日公演
先日生まれて二度目のディズニーランドに行って参りました。
生まれてはじめて行く母を連れて。
母はピアノの生徒さん達に「なぜディズニーに行かないの?」と言われ続けやっと今回の
ディズニ-詣でとなった訳です。
とてもとても混んでいる中、ファストパスという早く目指すアトラクションに入れるチケットを
手に入れて乗ったのが「スターツアーズ」という、映画「スターウォーズ」の世界を体験できる
3D体感アトラクション。3D映像と揺れる座席により、宇宙空間を戦闘機で駆け抜けているような
体感ができるというものです。R2D2やC3PO(知らない方のための言うと、
映画に出てくるロボットの名前です)や映画に出てきた様々の星の星人、そして座席に
ついたら見えてきたミレニアムファルコン号に私のテンションはマックス。
とても興奮していました。
そして終了。
結論から言えば三半規管のとても弱い私は酔いました…悲しい…
面白いのに体がついていきませんでした。たぶん二度と乗らないでしょう。
途中、横に座っている母を心配したものの(乗る前不安がっていました)、
母は思いのほか大丈夫で、楽しかったよう。今生徒さん達にいろいろ報告しています。
で、今日ご紹介するロイヤルフィル・ハーモニーのコンサート。実は私このコンサートでも
一瞬目まいのようなクラクラ感を覚えたのです。もちろんデイズニーのアトラクションとは感覚や
程度は違うものでしたが、音のきらびやかさ、キンキンと体の振りかかる音、特に金管楽器の音が
とても刺激的でした。
このコンサート、クラシック好きの友人が
「デュトワさんとロイヤルフィル、せっかくだから一番良い席で聴いてみましょう」
と先行発売で取ってくれた席。
いつもはリーズナブルなお値段の席で見る私が、海外の交響楽団一番良いお席で生で聴いたのです。
オーケストラの生音の迫力は違いました。デュトワさんもオケのみなさんも
とても熱のこもった演奏。友人はロイヤルフィルを何度も聴いているのですが、
デュトワさんが首席指揮者になってから今回初めて聴いて、今までとは違ったオケになったようと、
驚いていました。音の質、指揮者の統率感、音楽の作り方が、違うと。
ロイヤルフィルは華やかさが評判であるとは聞いていましたが、音の作り方、全体のしまり方も
心地よく、やはりいいオーケストラを素晴らしい指揮者で聴くとこうなるのかと思いました。
音が最も良く響く良い席に運ばれる音の響きは体を揺さぶります(座席は動いていないのに)
もう私はこの刺激でいっぱいいっぱい。映画も3Dは得意でないのも情報過多視覚刺激過多は
私には向かないということらしいです。
今回の曲目
1,シベリウス「カレリア」組曲op.11
2, ドビュッシー「海」管弦楽のための3つの交響的素描
3,バルトーク「中国の不思議な役人」組曲op.19
4,ラヴェル「バレエ音楽 ダフニスとクロエ」第2組曲
どれも有名な曲ですが、私はバルトークとラヴェルが特に気に入りました。
バルトークの「中国の不思議な役人」は初めて聴きましたが、ストラヴィンスキーの
「春の祭典」と近い雰囲気もし、私の好きな感じでありました。
実はこの組曲はパントマイムのための舞踏音楽らしいのですが、話の内容がなかなか
ハード。悪人に脅かされた少女が男を誘い、誘われた男たちの中に気味の悪い中国の男がいて…
今度聴く時はそういうイマジネーションを働かせて聴こうと思います。
そしてラヴェル。ラヴェルがいかにオーケストラを知り尽くして音楽を作っていたのか、
こういう演奏を聴くと実感します。明瞭に各楽器の音色が響いてきて、それら
全ての音が絶妙なバランスをもって響き一つの大きな音楽を作っている。
それを統率する指揮者、音の一体感。心が高揚しました。
またいつか友人と良い席で良いオーケストラを聴きそれを肴にいろいろ話をしたいです。