吾輩は猫である。

名前はシロ。


主人が泣いている。

せっかく教えて頂いたポイントで、釣りをするも、まるで当たりがなかったという。


夜明け直前から昼まで粘ったが、カニか小さい餌取りの当たりばかりで、イカゴロ40本と小柄なカツオ1尾分の身餌が綺麗に失くなったという。



午前8:00頃に海岸を散歩する地元の人の話では、今年は、まだ本格的な岸寄りはしてないという。


まさかカジカまで今年の猛暑に影響されるとは、困ったものである。


さてと、地元の方の話を信じて、2週間後にまた来てみますかと、主人は言っている。


·······



シロは怒り心頭である。

教えてくれた方に何と申し開きをする。
間違ったとはいえ、主人の腕を信じて教えてくれたのだぞ。
意地でも、どうにかするのが、男気であろう。
さらに、家の1日分くらいの食費を使って坊主とは何事ぞ。
恥を知れ。
せめて、ガヤくらい釣ってまいれ。

趣味とは言え、人の期待を裏切り、さらに貧乏人にとっては、経済観念がない釣りはだめである。

妙に神妙に萎れた菜っ葉のようになった主人である。

byシロ