小学生の頃、図書館に裸足のゲンが置いてあった。

怖いもの見たさで読んでしまって、すごく後悔した。

恐ろしくて、悲しくて、どうして読んでしまったんだろうと思って、

でも途中でやめることはできなくて。

 

小学生の時に入院したことがあって、

その時に確か、担任の先生がお見舞いで絵本を持ってきてくれた。

「おこりじぞう」というこれまた広島をテーマにした本だった。

 

そんな経験を経て、私の中で戦争について見聞きするのは

タブーのようになってしまった。

怖くて悲しいことをわざわざ見なくてもいいじゃないか。

戦争はずっと昔に起こったことで、

今の日本は平和だから、大丈夫。

そう思っていた。

 

けれど、大人になるにつれて、

いろんな情報が手に入るようになって、

今でも世界で争いは続いていて、

日常的ないじめや諍いは日本にもバリバリあって、

身の回りのちっちゃな世界だけ見て、

平和平和、って思ってたことに気がついた。

 

去年の冬、大阪のイベントで、赤塚高仁さんの

史上最高のイスラエルツアー「希望」

の一部を流すことになり、

テストでイベント前に見ることになった。

 

ユダヤ人がローマ帝国に対して決起したユダヤ戦争で、

最後に残った砦、マサダの話だった。

捕まって奴隷になるよりは、全員で死を選ぶ。

そこに至るまでの話と、その後のユダヤ人の話を、

赤塚さんがマサダの地で参加者さんたちに

語り継いでいる動画だった。

 

見終わって、気がついたら涙が出ていた。

余韻に浸る間も無くイベントの準備に入ったが、

その後、ご縁があって、赤塚さんと一緒に仕事をさせてもらうことになり、

何度も話を聞く機会に恵まれた。

 

国がなくなるということ、

国があるということ、

魚に水が見えないように、

日本人には日本が見えない、

そんな話を繰り返し、繰り返し、伝えてくれている。

 

80年前の戦争も、

日本がアジアを、

日本人が日本を守ろうとしていた戦いだったのだと、

恥ずかしながら、大人になって初めて理解した。

 

生まれた時から日本があって、

なんの疑問もなく日本人として生きていて、

でも本当はそれは、

今まで日本を守ってくれた人がいたからなのだと

知ったら、やっぱり涙が出てきてしまう。

 

今まで知らなかったことを知る。

そして、変容する。

そんなトークライブが今週京都で行われる。

私も現地スタッフとして京都に行くことになった。

 

もし京都に行かれる方がいたら、

現地で会いましょう!