『未来へ』あんな事やこんな事。~第三章~ | ハチの○○な話

『未来へ』あんな事やこんな事。~第三章~

3.平凡の中にやってきた違和感


それから寝る時間がないくらい働いて、営業書や心理学の本を買い漁り、一生懸命に勉強した。
いっぱい勉強して営業成績を伸ばして「お金持ちになりたい」
ただ無心で働くようになった。

この時も喜怒哀楽はもちろん交渉の手段であり、お金を稼ぐ為の建前にすぎなかった。
次第に給料も増えていった。自分の生活でお金に困ることがなくなった。
でも何故か「不安」な気持ちはいつまで経っても消えなかった。
「まだお金が足りないんだ」
そう思って、それまで以上に働いた。
もっともっとと本を読んで勉強をした。

そしてとうとう、不安な気持ち以外、何も感情がなくなった。

もう家族にも堂々と会えるし、貯金もできたし、皆に美味しいものを食べさせてあげられるのに。
私の中には何もなかった。

そんな生活の中で、私は体の異変に気がついた。
「お腹に違和感がある」
でも、仕事の予定が忙しく、私は体の違和感に気付かないフリをして働いた。
そして、だんだんと、お腹の痛みが増してきて、私は4日後には息をするのも辛い状態になった。

お腹の色は、紫色に変色し、妊婦さんのように膨らみ、熱も40℃を超えた。
私はもう我慢ができなくなった。立つ事さえ出来ない状態だった。
ただただ、使命感だけにまとわりつかれたように蹲った。。。


続く。