2026年7月31日

この日は生産台数の予想から「今日は定時で帰れる」と確信していた。帰宅後すぐにお風呂へ入れるよう準備を済ませ、気分良く家を出発する。

終業のチャイムが鳴ると同時にロッカーへ向かい、素早く着替えを済ませる。待たせていた後輩と談笑しながら会社の駐車場へ向かい、それぞれ車に乗り込むと、私の目的地はいつもの「めぐみの湯」。

会社で支給されているスポーツドリンクを「風呂上がりの一杯」にしようとバッグへ入れ、意気揚々と入館した。

掛け湯をしてから、サウナ、水風呂、外気浴の黄金ルーティンを堪能する。2セット目のサウナに入ると、偶然友人の姿を見つけたので声をかける。しかし、友人はすでに限界寸前だったようで、そのままサウナを出ていった。

しばらくして再びサウナへ入るが、今度は私の方が限界を迎える。水風呂で身体を冷やし、外気浴で心地よく整ったあと、「低温炭酸風呂」でゆったりと疲れを癒やしていた。

すると友人が水風呂へ入り、そのまま間髪入れずに再びサウナへ向かっていく。まるで何かに導かれているような見事な動きだった。

私も低温炭酸風呂を切り上げてサウナへ戻り、友人と近況報告を兼ねて談笑する。

「今日はサウナに入る回数が多いね。」

そう尋ねると、友人は笑いながら、

「今日は子どもの送り迎えがあるので、急いでいるんです。」

と教えてくれた。

なるほど、限られた時間の中で最大限サウナを満喫するための作戦だったのかと感心する。

最後は一緒に身体を洗い、「めぐみの湯」の駐車場まで話をしながら歩き、それぞれ帰路についた。

帰り道、「セイムス」に立ち寄り、アイスクリームでも買おうと思ったが、売り場を見て思わずため息が出た。どの商品も以前より値上がりしている。

物価高というのは、一気に苦しくなるのではなく、真綿で首を締められるように少しずつ生活へ影響を与えてくるものだと改めて感じる。

結局、手に取ったのは「ガリガリ君」。

さすがは氷菓。火照った身体をしっかりと冷ましてくれた。

家へ帰ってバッグを開けた瞬間、あることに気付く。

風呂上がりに飲むはずだった会社支給のスポーツドリンクが、そのままバッグの中で静かに眠っていた。

完璧だと思っていた一日の締めくくりにも、こんな小さなオチが待っているものらしい。