厚生労働省は、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の概要を記載したパンフレットを作成し、日本精神科病院協会に活用を促す通知を出した。新オレンジプランは、認知症の高齢者らが暮らしやすい地域づくりを目標に掲げており、パンフレットでは「認知症サポート医」などについて、分かりやく説明している。

 厚労省は今年1月、11府省庁と共同で新オレンジプランを策定した。パンフレットには、2012年に462万人と推計されていた国内の認知症高齢者が、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる25年には、約700万人にまで増えることを記載。65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になることが見込まれることに触れ、「今や認知症は誰もがかかわる可能性のある身近な病気」としている。

 また、認知症への理解を深めるための啓発の促進や、医療・介護の提供といった具体的な施策も説明。例えば、医療・介護の提供については、発症予防から人生の最終段階まで、容体の変化に応じた医療・介護などが提供される「循環型の仕組み」の実現を目指すとしている。

 早期診断・対応のための体制整備については、かかりつけ医の認知症対応能力向上のための研修や、地域でかかりつけ医の認知症診断に関する相談などに応じる「認知症サポート医」の養成を進める方針を記載している。

 また、65歳未満で発症する「若年性認知症」患者が全国で4万人近くいると推定されていることを挙げ、医療機関や市町村などを通じて、患者やその家族に「若年性認知症支援ハンドブック」を配布することも説明している。(CBニュース)