厚生労働省の「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」(座長=田中滋・慶大大学院教授)が20日、開かれた。検討会では、任意で実施されている第三者評価について、義務化を求める意見が続出。また、社会福祉法人が財務諸表を作成・公表する際には、必ず公認会計士など専門家がチェックする制度の必要性を指摘する声も相次いだ。


 会合では、厚労省が社会福祉法人の第三者評価の受審状況(2012年度)を報告した。それによると、「社会的養護施設」の受審率が12%だったことを除けば、社会福祉法人が手掛けるすべてサービスの受審率が5%未満を記録。「高齢者」関連サービスは1.6%、「障害者」関連サービスは1.3%にとどまった。

 その上で厚労省は、社会福祉法人の適正な運営に関わる論点として、▽監査において専門家を活用した方が望ましい分野▽第三者評価の受審促進のための方策▽所轄庁が実施する法人監査と地方公共団体が実施する施設監査の関係‐などを示した。

 会合では委員から、「受審を義務化すべき」(藤井賢一郎・上智大准教授)など、第三者評価の義務化を求める声が続出した。松原由美委員(明治安田生活福祉研究所主席研究員)は、評価を受ける法人が、評価を下す機関を選ぶことができる現在の制度について、「これでは(評価が)甘くなる」と指摘。評価者と被評価者の関係から見直すべきと訴えた。高橋利一委員(至誠学舎立川理事長)は、第三者評価の受審数を増やす努力と同時に評価者の質を高めるための努力も必要と述べた。

■財務諸表、公認会計士がチェックすべきとの意見も

 また、社会福祉法人の財務諸表の公表について、藤井委員は「外部からのチェックを義務化すべき」と指摘。松山幸弘委員(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)も同様の意見を述べた上で、社会福祉法人制度の信頼を高めるためにも、財務諸表については公認会計士がチェックする体制を整えるべきと主張。その費用については、「社会福祉法人から強制的に供出させる仕組みがあってもいい」と述べた。(CBニュース)