厚生労働省は15日、4月の介護報酬増額に伴うサービスごとの費用引き上げ案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の分科会に示し、了承を得た。引き上げ幅は要介護度などよって異なり、大半の介護サービスで1回あたり数円の負担増となる。

 介護報酬の増額は、消費税増税によって介護事業者の仕入れコストが増すことへの補(ほ)填(てん)措置で、全体で0・63%引き上げることが決まっている。

 厚労省の試算によると、要介護2の利用者が、入浴介助を含む7時間以上9時間未満のデイサービス(通所介護)を月に10回受けた場合、利用者負担の月額は現行の8610円から60円増え8670円となる。

 また、要介護2の人がホームヘルプ(訪問介護)を利用し、30分未満の身体介護を月6回、45分以上の生活援助を月9回受けたケースでは、負担の月額は3639円から15円増え3654円になる。

 介護サービスを受ける際は、介護保険からの支給上限額が要介護度に応じて定められており、この額に収まれば利用者の負担は1割、上限を超えた分は全額自己負担となる。

 厚労省は、介護報酬増額と同時に、在宅の要介護者に対する支給上限額を引き上げる方針も同分科会に示した。毎月の上限額は、最も軽度の要支援1で5万30円(現行4万9700円)、最も重い要介護5だと36万650円(同35万8300円)となる。上限の引き上げは平成12年の介護保険制度開始以来初めて。(産経新聞)