厚生労働省は3日、訪問介護事業所で従事するサービス提供責任者の報酬評価と人員配置基準の見直しを第61回社会保障審議会介護給付費分科会で検討した。

サービス提供責任者の現行の人員配置基準は、サービスの提供時間が450時間またはその端数が増すごとに1人以上、訪問介護員などの数が10人またはその端数を増すごとに1人以上のいずれかの基準で、常勤専従のサービス提供責任者を置くとしている。

見直し案では、
■サービス提供責任者の初回と緊急時の対応を評価する。
特定事業所加算におけるサービス提供責任者の要件について見直す。ヘルパーの資格要件と別に設定することで、加算を取得しやすくする。
■人員配置基準は、現行のサービス提供時間または訪問介護員などの人数に応じた規制を維持する。常勤を基本とするが、複数を配置する事業所では非常勤者の常勤換算した数が常勤者数を超えないものとする。必要に応じ、常勤者と非常勤者が業務を分担・協力する
ことなどを提案した。

さらに、本省がサービス提供責任者に実施したアンケート結果も示された。アンケートによると、新規利用者に対するサービス提供責任者の業務のうち、アセスメント訪問・ケアマネジャーとの調整も含めた訪問介護計画の作成に要する時間は、1~5時間と回答した者が72%。さらに、訪問介護計画の作成のみに要する時間は1~3時間と回答したものが63%だった。

緊急対応などは、94%のサービス提供責任者が業務としている。また、ベテランのサービス提供責任者が緊急対応を担当する割合が高い。

サービス提供責任者は、労働時間に占める本来業務が47.6%、ヘルパー業務が29.4%となっている。ヘルパー業務に従事する時間は月間平均48.5時間。利用者宅でのサービス提供時間が長くなると、サービス提供責任者に求められる能力を発揮しにくい傾向があるという。

そのほか、ヘルパーの定着率が高い事業所では、ヘルパーが定期的なサービスの提供だけでなく、予算や売上の管理、ヘルパー確保・採用面接、稼動予定の作成、モニタリング、手順書作成、代行訪問などの幅広い業務に参加し、サービス提供責任者を補助していることなども紹介された。