厚生労働省は12月3日、第61回社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、2009年度介護報酬改定に向けた各サービスの基本的な考え方を取りまとめた「たたき台」を提示した。居宅介護支援では、逓減制の適用件数についてケアマネジャー1人あたりの担当件数が40件を超過した分のみとすること、入退院時の支援を報酬評価を導入することなどが記載された。

■居宅介護支援・介護予防支援
居宅介護支援については、事業所の経営の改善、ケアマネジメントの質の向上や独立性・中立性の向上を推進するとともに、医療と介護の連携の推進・強化、特に支援を要する者一の対応等を評価する観点から見直しを行う。具体的には、以下のとおり。


●ケアマネジャー1人当たりの標準担当件数を維持しつつ、件数が40件以上となる場合に全ての件数に適用される現在の逓減制について、経営改善を図る観点から、超過部分にのみ適用される仕組みに見直す。

●事業所の独立性・中立性を高める観点から、特定事業所加算について、実態に即して段階的に評価する仕組みに見直す。

●医療と介護の連携の強化・推進を図る観点から、入院時や退院・退所時に、病院等と利用者に関すむ清報共有等を行う際の評価を導入する。

ケアマネジメントを行うに際し、特に手間を要する認知症高齢者や独居高齢者に対する支援等について報酬上での評価を行う。

●介護予防支援に係る評価については、地域包括支援センターのケアマネジメントに係る業務の手間の実態などを踏まえた見直しを行う。

●介護予防支援業務の業務実態について
地域包括支援センターの利用者1人1月あたりの労働投入時間は、分布にバラつきがあるが、一定のはずれ値を除くと77分または94.7分となる。居宅介護支援の場合、2001年の147.6分から2003年の139.7分と、2年間で業務時間が5.4%短縮されている。(※介護予防支援と居宅介護支援の労働投入時間はいずれも初回加算利用者を除く時間)

■訪問系介護サービス
【訪問介護】
訪問介護については、訪問介護員等の処遇改善の必要性も踏まえつつ、短時間の訪問などサービスの効果的な推進を図る観点から、短時間の評価を充実する。訪問介護員等及びサービス提供責任者について、介護職員基礎研修の受講、介護福祉士資格の取得など段階的なキャリアアップを推進する観点から、特定事業所加算について要件の見直しを行う。

サービス提供責任者については、初回時や緊急時などサービス提供責任者の手間が特にかかる場合を評価する。

●常勤要件について、サービスの質を確保しつつ事業所の効率的な運営や非常勤従事者のキャリアアップを図る等の観点から、非常勤数(常勤換算)が常勤数を超えない範囲内で見直す。

3級へルパーについては、前回答申どおり、原則として平成21年3月で報酬上の評価を廃止するが、現に業務に従事している者について、最終的な周知及び円滑な移行を図る観点から、該当する従事者に対する周知を事業者が行うことを条件に、1年間に限へ定した経過措置を設ける。また、報酬体系の機能別再編に向けた訪問介護の行為内容の調査研究を引き続き実施し、議論を行う。