生活介護研究所が開催した現場のスタッフ不足と重度化ケアに対応するセミナーでは、同研究所の坂本宗久氏が16年間の施設経験を活かして入浴や清拭の介助方法を実演した。
■洗剤の基礎知識
石けん、ボディーソープ、シャンプー、リンスには、界面(かいめん)活性剤が含まれている。界面活性剤は、水と油を融合して汚れを落とし、界面活性剤を溶かした水は泡が立ちやすくなる性質。洗髪などは指の腹でよく頭皮になじませる。界面活性剤が肌に残るとスキントラブルの原因になるので、泡が目に見えなくなってもよくすすぐことが大切。
入浴時の体の洗い方ポイント
1.利用者の足を洗うときは、正面にひざまずいて自分の太ももに利用者の足を乗せると洗いやすい。
2.カチカチになった目ヤニをとる場合は、目に蒸しタオルをあててやわらかくし、まゆ部分を軽く引き上げて、まつ毛にそって拭く。
3.加齢臭は耳の後ろと小鼻のワキをしっかり洗うと、におわない。
4.肩甲骨の周りに引っかき傷がある人は、そこまでしか手が届かないからであって、他の部分にもかゆみを感じているケースが多いので、他の場所にもスキントラブルがないかチェックする。
5.手のひらの真ん中のツボを押したり、指を1本ずつ付け根から指先に向かってもむと利用者に喜ばれるが、マッサージをするだけの時間はないので洗いながらやる。
加齢臭は私も気をつけないといけないのでお風呂に入った時には耳の後ろと小鼻の脇をしっかり洗うようにします