読みましたー!!!!
すんごい面白かったです。
私はこの本は風と木の唄が発行されるまでのお話なのかな?と思っていたんですが、いや、それで間違いないのですが、すごい、漫画家ど根性物語的な内容でした。
以下ネタバレ含みます。
竹宮さんは私からすると超大御所の泣く子も黙る、という言い方はおかしいですが、ほんとに大御所の方、という印象があったのですが、ここまで苦労、というか、すごい階段、壁を超えて来られて来た方とは思いませんでした。
絵が物すごく上手、というのはもちろん一般人からするとすごいことなのにそれが仇になってしまった??のかな??と思うところもあって。
若くして漫画家デビュー、東京上京。
そしてここで特別な存在の人に会ってしまった。萩尾望都先生。
同世代で漫画を描いてる彼女の才能に惚れ込んでしまって、一緒に生活したい!と持ちかけたのは竹宮先生。
どちらかというと、うーん。。。と難色をしめしてたのは萩尾望都先生。
ね、一緒に暮らしたら絶対楽しいから!住むところとかは私が見つけるから!身一つで来てくれたらいいから!と何度も口説いてようやく萩尾望都先生は上京してきます。
そこからは若い女性の楽しいシェア生活。
漫画が大好きな女の子たちがその長屋に集まります。
狭いひとつの部屋にこたつテーブルと布団。一緒に漫画を描いて語り合って、誰かの修羅場を手伝いあったり、締め切りご飯を食べたり。たまにはみんなで映画をはしごしたり。
夢のような楽しい生活。
だけどそれは編集者のひとに注意されたようにいつしか竹宮先生にとって苦しいものになってしまった。
「萩尾望都には1ページでも何ページでもいいからなんでも載せる。彼女が1ページでもいるだけで売り上げが違う」
ところが竹宮先生は、自分が描きたいものを描かせてもらえない。
編集者にいわれた、いわゆる、少女漫画を描かないといけない。編集者にいわれたお話を、絵柄を、描かないといけない。
私も好きなものを描きたい!といっても、萩尾望都レベルじゃないだろ、あいつは特別だよ、と一蹴される日々。
それがどんどん竹宮先生の心を蝕んでいきます。
特別な存在になれない自分と、神推しされてる天才。※私からみるとほんとに竹宮先生もすごいんだけども。。。
ある日、契約更新を機にさりげなく、同居解消を竹宮先生から申し出ます。
ほんとにさりげなく。
それに無邪気に萩尾先生は笑ってこう言います。
じゃあ、今度も竹宮先生の近くに住もうかな?と。
竹宮先生もそうだね、と笑いながらも心の中では絶対に近くに住まないでほしい、と思っていた。
だけど、彼女は無邪気に近くに越して来てしまった。
この二人の結末はぜひ本書を!!!!
私はこの最後のシーンはぎゅーっと胸が締め付けられました。
でもほんとに竹宮先生も萩尾望都先生も誰も悪くなくて。
私は読むのはかなり早い方なんですが、この本は全部読むのに6時間くらいかかりました。それぐらい濃密でした!
興味があったら是非読んでみてくださいねー。