愛しては、いけない
ずっと
そう思ってた
可愛いと思っては、いけない
だって、この子は
ダウン症なんだから
生まれたばかりのハヤは
毎日、一生懸命だった
それが切なくて私は
毎日、泣いた
でも
ハヤの健気な声が
どうしても、聞こえてくるようで
”僕、頑張ります!”
”僕、おりこうさんです!”
”僕、可愛いですかっ?”
なんにも知らないハヤは
未来を信じていて
ここにある愛を
信じていて
どう頑張っても、私には
ジッと私を見つめる瞳を
傷つけることなんて
裏切ることなんて
できなかった
愛さないことなんて
できなかった
あのとき、聞こえたハヤの声
今も聞こえる、ハヤの声
”僕、かーたんが大好きですっ。”
”とーたんが、にーたんが、大好きですっ。”
あのときの分も、今
何度でも返したい、私の声
「ハヤ、大好きだよ。」
「みんな、ハヤが大好きだよ。」
「ずっと一緒、だよ。」