一番困ったことは
ハヤが可愛い、ということだった
ダウン症の我が子なんて
可愛くなくて
愛せるかどうかもわからない
知的障害のある子供なんて
育てていけない
そのはずだったのに
ハヤは、いつの日も
ひたすら一生懸命で
人懐こい子猫のように
ひたすら可愛いかった
だから、いつのまにか
広~い、でこさんも
しまい忘れたベロさんも
ちょっと長く伸びてきた
前髪を見つめる寄り目も
ハヤだけの
チャームポイントに思えるくらい
親バカ全開になってしまった
とにかく色んなことがあったけど
一番、予定外で困ったことは
ハヤが可愛い、ということだった
「あったりまえだのくらっかあ、だろっ。んふっ♪」