問、子を産んで幸せか?あるいは後悔はないか?



正直にお伝えすると分からない。私は分からないのだ。 


今の仕事や育児を含めたライフスタイルはとても気に入ってる。 ただ、息子にフォーカスを当てると、全力の笑顔で100%幸せ!とは言い切れない。 


もちろん、小さな幸せや喜びはあるし、我が子ってなんか面白い。可愛いより面白いと表現した方が私はしっくりくる。


 そして、後悔はないか?の問いに関しては、「死ぬ直前じゃないと分からない」が答えだろうか。


 性犯罪でもして刑務所に入っていれば、理性の働かないバカ息子を産んでしまってと、自分の育て方も含めて嘆くかもしれない。


それなりに優しい子に育っていれば心底から子と会えて良かったと思うだろう。


 そう、私は分からない。自分が分からないのだ。


 * 


33歳、あの頃の私は虚無感を抱いていた。


 仕事もプライベートも充実していた。


ただ、以前なら楽しみにしていた夫婦2人だからこそできる、リッチな外食や旅行に行ってもどこか虚しさを感じていた。 


自分に時間とお金をかけるのに飽きてしまった、私自身を満足させるのに飽きてしまった。


 もし人生が死ぬまでのとてつもなく長い暇潰しだとしたら、私はこれからどうやって生きていこう?


 * 


現在の夫に、結婚前提の交際を申し込まれた時「子を望んでないけどいいか?」と確認して交際、結婚した。


 私は32歳まで本気で子供が欲しいと思った事はなく、パートナーと平和に過ごし、動物や植物を育てながらの暮らしが本気で憧れていたのだ。 


振り返れば、近所のおば様や身近な人に「子供作らないの?子供は早く産んだ方がいいよ」と聞かれた事は100回は越えるだろうか。


 「子供作らないの?」はもう天気の話と脳内換算していたので、心がざわつく事はなかった。


 そしてこの会話は相手に悪意もなく、ただの世間話の1つであり、むしろ相手が私と会話を広げる為に努力してくれてる!とポジティブな気持ちで聞いていた。


おば様よ、気にかけてくれてありがとう。 


ただ、どうして世の女性が皆子供が欲しいと決めつけて聞いてくるの?疑問には思う。


 子供が嫌いだと夫婦で一致してるかもしれないし、ただ何となく今はタイミングでないのかもしれない、望んでるけど事情があるかもしれない。そもそもセックスレスかもしれない。 


他の質問も同様だ。 「彼氏作らないの?」「結婚しないの?」


 彼氏がいなくても気の合う友達がいれば幸せだし、結婚しなくてもパートナーという選択肢もある。 


デリケートな質問に関しては、その人の事情など含めた奥行きを考える優しさがあればなぁ、、同時に私はこの類の質問はしないでおこうと思った。 


ただ、33歳になり私の気持ちは最初にお伝えしたように、揺れていた。


 職場の同期の子が妊娠し、少しずつお腹が大きくなる姿を見てお腹を愛でる彼女を見て、「あ、いいなぁ」と羨ましさと幸せを感じた。


 子供がほしいと25%欲しくない75%で揺れていたのだ。


今は25%だけど、いつかはいいかもと。 産婦人科の先生に上記の事を正直に話したら「ゆるく妊活してみたらどう?まずはタイミング法で」とアドバイス受けた。


 夫にもいつか子供欲しいかもしれないと打ち明け、避妊をしないで、排卵日を狙っていざ性交渉。


 どうしよう、避妊しないで排卵日狙ってしまった、妊娠してしまったかもしれない。 と無駄にソワソワしたが、あれ、あれれ?おかしいな、生理がきたぞ。


安心したような、がっかりしたような。 


この状況が数ヶ月続き、私は今までなんて事をしてしまったのだと重大な事に気づいた。


 子供はできるか分からないけど(←重要)欲しいか、欲しくないか、なのだと。 


なぜ私はこの33年間、当たり前に、いつだって、自分が本気を出せば子供が当たり前にできるけど、今はタイミングではないから作りません。と上から目線だったのか、とても自分が恥ずかしくなった。


 人間って不思議だ、自分には手に入らないかもと思えば思うほど手に入れたくなる。


執着は怖い。


 子供が欲しい25%は一気に50%なり、あれよあれよ75%と跳ね上がった。 


妊婦さんが本当に羨ましかった。 


教育TVの生き物を観察する番組を見ては、猫や昆虫さえ性交渉して子ができて、生き物によっては子育てしてるのに、当の私はまた生理が来たと嘆いていた。 


生殖器の役割を果たしている猫や昆虫までにも羨望の眼差しで見ていた、滑稽なあの頃の私よ。


 * 


このように様々な過程を経て私は母になった、もうすぐ36歳なる。 


再び問う、現在の記憶を維持したまま33歳に戻れたら子供を望むか?



もしかしたら、、、 私は、望まないかもしれない。  


もちろん子の事は愛してる。 


ただ、これから経験する気苦労を考えると、33歳に戻れたら産まないかもしれない(笑) 


お母さん、お父さんの苦労は察するには余り有る。すれ違うたび心の中で敬礼してるもん、マジで。 


ただ、悩みはあるが、幸福を感じる瞬間ももちろんあるのだよ。 


素肌で子供と触れ合い、子の体温を感じた時。


 通勤の電車の中、汗を拭こうとしたら子のガーゼを持ってきてしまい、息子のミルクの匂いを感じながら汗を拭いた時。 



その瞬間、私は自分の人生に感謝する。


 * 


一方で、子供ができて想定外な事もあった。 


出産してしばらくの間、私は子の為に生きるから自分の人生終了したんだなぁ、とぼんやりと日々思っていた。 


ある日の事、ヤマザキマリさんの漫画テルマエ・ロマエを読みながら夫に言った。 


「古代ローマ人が日本の銭湯にタイムスリップを思いつくなんて、ヤマザキさんは天才だよね!!私も子育て終わったらイタリア行きたいなぁー!」 


「子育て終わってからじゃなくて、今行けば?イタリア良かったよ~、秋に長期休みとれるから子供は俺見れるし。」 


「え、でも私これでも母親だし!子供残して1人で海外旅行って普通はありえないでしょ!?」 


「はるちゃんは最初から普通じゃないじゃん(笑)てか、イタリアのウォーミングアップで大好きな宮古島に2泊くらいで行ってきたら?」


  そして翌週仕事の休みを調整し、宮古島に1人旅をして、ちゃっかりイタリアの航空券もとった(笑)


 (私は産後うつが結構激しく、現在も投薬してるので夫なりに気を遣ってくれたのだと思う)


 この宮古島1人旅と仕事の復帰により私のメンタルは劇的に回復し、徐々に本来の自分を取り戻していった。


現在、私たちの週末は家族でお出かけもするが、交代で育児をしてどちらかは1人でカフェにて本を読んだりと、協力して意外と1人の時間などを確保している。


 母親になっても私個人の人生を生きていける


これは、想定外の事だった。


 33歳の私は悩んでいた、34歳の私はお腹の中にいる我が子に幸せを感じていた、35歳の私は再び悩んでる。そしてこれからも悩み続けるのだろう。。 


そして、もし読み手側のあなたが、私は元々子供いらない95%、この記事の感想で子なしで改めて良かった!と再認識されるのは構わない。


 ただ子供欲しい25%くらいで悩んでいて、この記事の感想により、子供欲しい0%に下がるのも、50%に上昇するのも避けてほしい。 



この記事はあなたの人生の選択肢を変えるには全く値しない記事であるという事を警告する。




最後まで読んでくれてありがとう。 心から感謝します。