Haluka in Wonderland | 辻明佳のナイフとフォーク

辻明佳のナイフとフォーク

旅、お料理、ときどき女優。

用事が少し早く終わり、稽古まで一時間弱余ってしまった。

稽古場からすぐのカフェ「Wonder Parlour」[みんな:01]

内装も小物も細部までおひめさま気分のとっても素敵なとこで
エマの世界に迷い込んだみたいー(・∀・)

お紅茶もたっぷりのポットでくるし
きちんとティーコゼ(冷めないようにポットにかけるおふとん)ついてくるし
ミルクはちゃんと冷たいし

できるカフェなんだ。
安くはないけれど、
飲めるお茶の種類や質と量なんかを考えたらすごくリーズナブル。

ただ、このカフェは、メイド喫茶なんだ。

きゃいきゃい萌え萌えした接客やメニューはなくて
しずかで丁寧、
正統派・本格的な本来のメイド感を重視しているらしいのが
わたくしども一般客には救いなんだけど

く、くすぐったい!

レースのヘッドドレスにフリルのエプロンのメガネ女子が
ダンスのようにいちいち5秒以上かけて超優雅におじぎしてくれたり
わざわざ利き手を訊いたうえでシルバーをセットしてくれたり
一杯目のお紅茶を目の前でついでくれたり

うはあ、す、すみません( ;´Д`)

ご用の際にはテーブルの上のベルをふってメイドを呼ぶんだぜ……
私の隣の男性一人客はベルで呼んどいて
「あの……もしよろしければお水を一杯いただけませんでしょうか」
ご主人さまじゃないんかい

マリアージュ・フレールの1854おいしかったです(お茶っ葉の名前です)
photo:01


こんなん出ましたけど
うしろの牛さんはミルク入れです
まあかーーわい


ここでメイドさんを気にせず優雅にお茶できれば
りっぱなオトナになれるのかな。

それともそんなこと考えてる時点で負けなのかしら

こんな大荷物と女子力に欠けたおようふくで来店しちゃって
メイドさんたちにけいべつされてないかしら
かばんから斧はみだしてるしな
いっそ台本をおもむろに黙読して
「あ、役者さんだからこの荷物なのねなるほど」って思ってもらうか?
いや、それこそ「あたし女優」アピールみたいで痛いのか?


むしろ逆に
「あ、この人メイド喫茶と知らずに入って来ちゃってる……」と
なんだか向こうを申し訳ないきもちにさせちゃってたらどうしましょ

ほんものの貴婦人だったらこういうとこでも堂々としてんのかな
最後までメイド喫茶だと気づかなかったりして
いや、この独特のニセモノ感はさすがに気づくだろ
てかこの子たちはいったい何を求めてこのバイトに決めたわけ?
自分じゃない何かの殻をかぶってお客様と相対することは楽しいのか?
単純な、人 対 人 のお給仕のよろこびはそこにあるのか?
かわいい制服?
なんなの? なりきってんの?
演じるってどういうことかわかってんの?
なんなの全員ナルシストなの?
うがあああ


と悶々してしまってぜんぜん休まらなかったです。
まさにワンダーパーラー。

また行くと思います。