小説だけではなく、映画にもなった(アルジャーノンに花束を)は、今から50年前の物語だが、映画は1960年代のハリウッド版と、2006年のフランス映画との2つがある。
この物語は、1950年代のニューヨークを舞台に、突然天才となった主人公チャーリー、彼は、知的障害を持つ、子供の心を持つ優しい青年なのだが、知能を飛躍的に向上させるという手術を受けることになる。
手術を受けた結果、彼のIQは68から185となり、利口になりたいという夢を果たした。
だが、急激に賢くなっていく頭と、人の言動の裏を探れてしまう賢さとの矛盾、人とは、知性とは、幸せとは、愛とは、家族とは、教育とは何か?
この500ページにわたる長編小説で、数年前、中高の先生が、(10代に読んでもらいたい泣ける本)として推奨、叉、読売新聞の(キミ本大賞)にも選ばれている。
日記体の文章であり、主人公チャーリーがその日に見聞きした出来事を一人称で描写した
本である。
50年前の障碍者の状況は、今とは違ってはいると思うが、その当時の置かれた状況や
科学、恋愛や友情を繊細に描いた傑作作品。
切なくて、胸が痛くなるような作品が好きな人に、ぜひおすすめ!