(運動神経が良くない)と自称する、女子レスリング選手の元木咲良(さくら)-育英大学-は、高校生のころまで出場した大会で、優勝経験がほとんどない。
父は、2000年シドニー五輪男子グレコローマンスタイル63キロ級代表で、彼女は3歳よりレスリングを始めている。
そんな彼女が人生を変えたのは、(アリエフ)という技、これは、東京五輪男子現メダリストの、この技を得意とする人の名前、向き合う相手の首元に左手をかけ、鞭のようにしならせて、頭をマットすれすれまで押し下げる技のこと。
この技は、日本で教えられる指導者は限られており、扱える選手の数も少ないが、元木以外の選手に習得させるつもりだったが、15人中習得できたのは、彼女だけだった。
この技をかけられ、バランスを崩された相手は、一瞬足を動かせなくなる。その時、かかとにタックルを決め、、相手を倒して背後を取るなどして得点を重ねるのが、元木の必勝パターン!
(手足が長く、崩した相手を引きこみやすいのがプラスに働いた)と、監督は言う。
本人は、(手が大きくて、相手の首にかけてもずれない、だから力を伝えやすい)のかもと分析する。
快進撃は始まり、2022年、23年と、全日本選手権で優勝、日本での第一人者での地位を固め、パリオリンピック出場内定!