牧野博士の出生地である、佐川の牧野公園と加茂の里では、

バイカオウレンがまだ咲いている可能性があるとのことで、

期待が高まる。

 

 

 ◎ 牧野公園

 牧野公園は、牧野博士が東京からソメイヨシノの苗を送ったことから始まる。

戦後整備され、四国を代表する桜の名所となった。

 平成26年より、牧野博士にちなんだ、四季折々の山野草を楽しめる公園へと進化させ、

行政の事業のみに頼らず、地域住民が種から育てた苗を移植し、

みんなで育てている牧野公園である。

 

 

 バイカオウレン

 ほとんど花期は終わっているが、ところどころに花を残し、我々を迎えてくれた。

10㎝位の花茎が根本からまっすぐ伸びあがり、一輪づつ花を咲かせている。

 

 

 濃い緑の葉に、直径1.5㎝位の小ぶりな白い花を群生させている。

5枚の小葉がセットになった光沢のある葉は、牧野植物園のロゴマークになっている。

 

 

 セリバオウレン

 葉がセリの葉に似ているから、セリバオウレン。

 

 

 牧野博士の帽子と植物採集ボックス

 牧野博士の帽子と植物採集ボックスを置いたベンチがあった。

牧野博士は新種でも見つけて、どこかに飛び出していったのかな?

 

 

 サカワサイシンの葉

 カンアオイに似た変わった花

(瓢箪の下のふくらみが開いたような感じかな)を咲かせる。

牧野博士は郷里の佐川で採集し発表した。

牧野植物園では、5月に展示しているとのこと。

(この写真のサイシンの周りの草は、殆どバイカオウレン)

 

 

 スエコザサ

 「らんまん」の最終週のタイトル「スエコザサ」

高さ1~2m位で、葉の表面に白い毛が生え、縁が裏側に丸まっている。

らんまんでは、完成した植物図鑑の最終ページに、スエコザサが掲載されていた。

 

 

 ユキワリイチゲ

 トイレに面した土手の斜面に、ユキワリイチゲが大群落していた。

 壮観

 

 

 花茎は15~30㎝。茎の頂部に一輪の花。

花弁に見えるのは萼片。 12~22枚

積雪の中から芽を出してくるから「雪割一華」

 

 

 ユキワリイチゲは、近畿地方から西側でしか、見ることができない花。

萼片の裏側は、淡紅とも淡紫とも見える。 ウラベニソウ。

地下茎で増殖するので同じ遺伝子とのことだ。

 花は「一華」だが、葉っぱは鑑賞的ではないのも、面白い。

 

 

 日が照らないと開花しない。 太陽っ子なのだ。

陽が良く当たると、白っぽい紫色に見える。

 花言葉は「幸せになる」

 

 

 オオミスミソウ

 寒の残る早春に咲かせる鮮やかな花は少ない。

ミスミソウは、花の形、色、大きさ等多彩で、愛好家の多い早春の野草。

冬から春へプレゼントされた宝石のような花。

 ミスミソウを総称してユキワリソウとも呼ばれている。

 

 

 セントウソウ

 ここでもセントウソウが混在している。

小さな花で主張は少ないが、

セントウソウも早春の花なのだ。

「先頭に咲く花 → セントウソウ」なのだ。

 

 

 トサミズキ

 さすがに土佐はトサミズキが多い。

葉より先に黄色い小花を沢山咲かせる。

このトサミズキの木は大きくて見栄えが良い。

 

 

 黄色い小花が連なる花序が下垂する姿は可愛い。

この花序は花数が多く豪華だ。

 

 

 ヒトリシズカ

 突然ヒトリシズカが現れた。

何時もこの花を見ると感じるのだが、

名前は「一人」でも、何時も「数十人」いる。
何故か一本だけミスミソウらしきものが混ざっている。

 

 

 ハクモクレン

 ハクモクレンの冬芽が膨らみ、一斉に開花しそうだ。

 

 

 ミツマタ

 ミツマタもポチポチ開花を始めたようだ。

 

 

 フクジュソウ

 一株だけフクジュソウの花が残っていた。

フクジュソウは、これ以上開花が進むと花のイメージが一変する。

フクジュソウと気が付かない人もいる。

 

 

 佐川の街中

 佐川の街中の多くのお宅の玄関先に、一輪挿しの花を見かける。

落ち着いた古い街並みと、地元の方の良好な風習が偲ばれる。

このお宅は造り酒屋の様で、杉玉と暖簾と花がっセットで奇麗に納まっている。

 

 

 ◎ 加茂の里

 「加茂の里づくり会」の方々の尽力で、バイカオウレンの群生地を守り育成している。

ここでも花はほぼ終わっていたが、あちこちで遅れ咲が迎えてくれた。

 

 バイカオウレン

 直径が1.5㎝位の小さな花で、花茎も10㎝位。地面に這いつくように咲く。

らんまんでも万太郎は、腹ばいになって顔をくっつけるように除き込み、話しかけている。

 万太郎の母が「この花は逞しい。いのちの力に満ちている」

「一番好きな花」と万太郎に伝えていた。

 

 

 白い花弁に見えるのは萼片。

果実は10個ほどの船状の袋果で 、矢車みたいに環状に開く。

 

 

 森林内の腐植質の豊富な湿地に、苔と同居して群落する。

苔むした手前の原っぱは、花後のバイカオウレンでいっぱい。

 

 

 今年の満開時

 加茂の里の管理センターに、今年の旬の頃の写真を掲示していた。

この光景を見たかったなぁ ~ ~

 

 

 カンアオイ

 バイカオウレンの群落地の一画に、カンアオイが咲いていた。

秋から冬に開花し、越冬し、春先まで花を残している。

 変わった花で、落ち葉の中でひっそりと、状の花を咲かせる。

 

 

 カンアオイの葉

 葉は明るい緑の大きな葉で良く目立つ。

日本固有種で絶滅危惧種の蝶、ギフチョウの幼虫が好む。

 

 

 ハナモモ

 

 

 根性竹

 途中の道で、雪の重みで曲がった竹に出合った。

雪国で根性木を見っけることが多いいが、

根性竹は初めての出会いだ。

南国でも竹が曲がるほどの積雪があるのだな。

 

 

 ※ 2月28日撮影