久しぶりに平林寺を訪れた。
平林寺の紅葉狩りには、11月下旬から12月初めに行っている。
今年は紅葉が遅れていると思い、7日に行ったところ、意外と訪問客は少なく、
ゆっくりと散策を楽しみ、写真も落ち着いて撮ることができた。
◎ 伽藍ゾーン
山門や仏殿、本殿などの伽藍ゾーンは、紅葉の真っ盛り。
斜度の低い冬の陽を、真上から浴びた紅葉は逆光状態で、
紅葉や黄葉が輝き、紅葉シャワーが降り注いでいる。
紅葉の中、鮮やかな黄葉が印象的。
総門横から入山してすぐ紅葉世界に入る。
早速、多くの人が、浴びるような紅葉の写真を撮り始める。
上の黄葉の写真は、このすぐ右側で撮った。
山門への道は紅葉回廊。
放生池の水鏡紅葉は小波に揺れ、油絵の筆で塗り込んだ感じだ。
順光でも色付きが良く出ている。
紅葉にも鮮度がある。
◎ 雑木林ゾーン
伽藍ゾーンの奥は、武蔵野の雰囲気がいっぱいの雑木林が広がる。
田山花袋は、武蔵野の匂いを嗅ぐには平林寺の付近が良いと称賛している。
紅葉の上にモッコリした緑のドーム。
ここの雑木林には古木も多い。
樹は上に伸びる成長が止まると天辺は丸くなると、聞いたことがある。
実際、ここの雑木林には、頭の丸い樹をいくつか見ることができる。
平林寺境内の雑木林は、雑木林としては国内唯一の国指定天然記念物に、認定されている。
境内の掲示板に表記されている、武蔵野の住民たちも彩々。
43ha(13万坪・東京ドーム約9個分)と広大な平林寺の境内は、
コナラ、クヌギ、モミジの木々や草花を、楽しむことができる。
知恵伊豆と謳われた、松平伊豆守信綱の墓。
雑木林一帯の本堂側に、広大な松平家の廟所が広がる。
平林寺は、さいたま市岩槻区に、1375年に創建されて、
1633年に松平信綱により野火止に移転された。
黄葉とのグラデーションが素晴らしい。
左側をもう少し広く入れた構図にしたかったが、写真を撮っている方が移動しそうにないので、
自分が左側に移動し、人が目立たないように撮った。
左下奥は本堂裏に続く趣のある道だが、今は通行止めになっている。
野火止塚
説明の看板には、火の見張り台が目的と記載されていたが、定かではない。
➀ 火田狩猟のよる野火
② 焼畑耕法による火勢
紅葉のトンネル。
雑木林の紅葉は、伽藍ゾーンの紅葉より少し遅れるので、
数日後には落葉も増え、もっときれいな紅葉のトンネルとなるだろう。
紅葉のなかでは、緑のモミジも爽やかである。
紅葉への進行中も悪くない。
紅葉完成。
◎ 野火止緑道
帰りは、昼食を取ったお店で相席になった二人ずれのご婦人と一緒に、
野火止緑道を散策して新座に出た。
野火止用水は、松平信綱が玉川上水から分水して作った。
野火止緑道は、平林寺の雑木林の外側を囲むように流れ、
平林寺の武蔵野の雑木林と野草など、野の秋を楽しみながら散策できる。
フェンスの向こうは平林寺の境内。
ここからも紅葉を楽しめる。
四つのカラスウリの色が異なるのも、
遅くれて来た秋を感じる。
チャノキの花期は10~12月初旬。
たっぷりの雄しべが特徴。
秋は、い~~いなぁ~。
天然のマンリョウ。
鑑賞用の園芸種の種子を、鳥が運んだのだろうか?
放置され廃棄のトウガンだろう。
トウガンの旬は夏なのに、漢字で「冬瓜」と書くのは、
トウガンは冷暗所で保管すると冬まで持つから。
トウネズミモチの実がたっぷりとぶら下がっている。
実がネズミの糞に似ているから名がついた。
子供の頃、見た記憶があるネズミの糞に、確かに似ている。
※ 2023年12月7日 訪問