サクラの開花のニュースが流れるも、連日のように雨模様の天気が続く。
シザレザクラが見頃を迎えたとの情報を聞き、曇り空だったが六義園に行った。
早めに行ったのだが、入園券の購入に長蛇の列。
園内は広いので、入園制限されることは無い。
シダレザクラ
お目当てのシダレザクラの周辺は、スマホを掲げた大勢の人で大混雑。
人間抜きの写真を撮るのは不可能だ。
曇天なのでまるでモノクロのような写真になってしまう。
木の枝が枝垂れるのは、突然変異により枝が柔らかくなり枝垂れる。
大きなシダレザクラなので、花の下は花の量が多く花天井。
シダレザクラは長寿の木が多いので根元がどっしりとし、
枝分かれの変化が面白い。
六義園は柳沢吉保が、彼の知性を懸けて作った、回遊式築山泉水庭園であり、
江戸時代を代表する大名庭で、数か所の茶屋がある。
関東大地震や東京大空襲の影響もなく、今も昔の面影を残す名園である。
周囲には沢山のマンションなどが建っているが、築山の木立が大きくて、気にならない。
築山のなかに、コブシの花が良く目立つ。
コブシ
年季の入った大きなコブシの木だ。
枝分かれも複雑で、花数も多い。
コブシの花はそろそろ盛りを過ぎているようだ。
サクラ?
小ぶりの花だがサクラだろう。
シダレザクラ
奥に進むと小ぶりのシダレザクラに出合う。
こちらは少し開花がおくれているが樹形は良い。
花の簪。
少し薄日を感じたので花の下に入り逆光で撮った。
モノクロ的な雰囲気も良い感じだ。
ヤマブキ
ヤマブキは実ができないと思われていることが多い。
太田道灌のヤマブキに関するエピソード
「 実の(蓑)ひとつだの なきぞ悲しき 」の、影響が大きい。
八重咲のヤマブキは実ができないが、一重咲きの花は実ができる。
エピソードになった歌も「 ななえ八重 …… 」と詠んでいる。
ヤマブキの実(2012年8月30日撮影)
代官山の旧朝倉家の庭で、初めてヤマブキの実を見た時の写真である。
私も、ヤマブキは実ができない、と思っていたが、
花に詳しい同行の女性から教わり初めて知った。
ヤマブキの水鏡
庭園内を回遊して池の反対側に出ると、先ほどのコブシが池に映っていた。
ハナカイドウ
ハナカイドウは開花直前の蕾ばかりだが、花よりもかなり濃いいピンクも綺麗だ。
少し酔った楊貴妃の半睡状態を、花海棠に例えたとの伝説から、名がついた。
紅い花柄の先の蕾を散りばめた状態もなかなか良い。
美人の代名詞と言われるのも納得できる。
椿道
椿は終わりの状態で、落下した椿の花が道いっぱいに続く。
360°椿
二輪の椿の花がぴったりと背中合わせに咲いていた。
360度椿の花だ!
落下した椿の花を、誰かが道路わきにセッティングしていた。
落下した奇麗な椿の花を見ると、思わず並べたくなるのだろう。
アセビ
クマザサ
六義園は綺麗なクマザサが多い。
あちこちにクマザサの大群生がある。
奇麗なクマザサなので。笹薮に見えない。
クマザサの漢字は、「 熊笹 」ではない。 「 隈笹 」と書く。
歌舞伎役者の隈どりのように、笹の葉の縁に白く隈どった状態から「隈笹」名がついた。
夏に緑色の葉が、冬になると葉に隈取りができるのは、
冬の低温によって特に弱い葉縁の部分が枯れ込むためでである。
人間でいば「しもやけ」みたいなものかな。