五日目(14日)は、黒岳の頂上(1984m)を目指す。

層雲峡温泉のホテルから、ロープウェイの層雲峡駅まで歩く。

ロープウェイ(7分)、リフト(8分)と乗り継ぎ、

黒岳七合目(1520m)に到着すると、

そこは、高山植物の花の世界が展開する。
 

 

◎ 登山道

 山頂までは、岩のごろごろした登山道となる。

自分にはキツイ登りだが、登山道の周りは花の世界が続く。

写真を撮りたいが、ゆっくり撮る余裕がない。

 

  視界いっぱいに、花・花・花 ……

 急斜面を横切る視界の開けた 場所で小休憩。

周辺は、黄色や白い花が広がる。

 

 

 斜面の花たち

 この斜面の花は、チシマノキンバイソウと、

白い花はハクサンイチゲだろう。

 

 チシマノキンバイソウ

 鮮やかな黄色い花のお花畑を作ってる。

 

 

 

 ハクサンイチゲ

 白地の花びら(萼片)に、淡い黄色い雄しべ、

中央の緑色の雌しべと、花姿が決まっている。

エゾノハクサンイチゲ  かもしれない

 

 

 まねき岩

 九合目あたりに、モアイ像を思わせる特徴的な岩がみえる。

「まねき岩」と名がついているが、誰を招いているのだろうか?

山が「山頂までもう一息だよ。気を付けて頑張って」と、

登山者を歓迎しているのだろう。

この周辺は、ウコンウツギ等の花畑となっている。

 

 

 ウコンウツギ

 今が最盛期なのかウコンウツギが沢山の花をつけ、

あちこちの登山道を、にぎわしている。

 

 

 ◎ 黒岳山頂

 

 山頂は、岩がゴロゴロであるが結構広く、360度展望できる。

残雪が多く、山肌に楽しい絵模様を描いており、形を想像するのも楽しい。

正面の白鳥のように見える残雪絵は分りやすい。 

 

 

 残雪絵にあきない眺望

 大雪の山々が登坂を呼び掛けてくるようで、先に行きたくなるが、

ここで昼食を取り引き返す。

 

 

 ◎ 山頂の花たち

 大雪の山々の山頂は、アイヌ語で「神々の遊ぶ庭」と呼ばれているが、

ここ黒岳の山頂にも、厳しい風雪に耐える背丈の低い花が、

岩の合間を賑やかにしている。

 

 

 イワブクロ

 鳥の姿の残雪絵を借景にイワブクロ。

 

 

 コマクサ

 ロープを張ったすぐそばでコマクサが咲いている。

近づきすぎると人の重みで砂礫がキシミ、根がちぎれる可能性があるので、

少し離れてズームで撮影する。

 

 上の左側のコマクサは、真横に撮影されている。

中二枚の花弁は殆どくっついているのだ。

コマクサは平べったい花だったのだ。

 

 

 エゾイワツメクサ

 白い小さな花が、岩の合間に群生していた。

白い花弁が10枚に見えるが、切れ込みの大きい5枚の花弁である。

 

 

  メアカンキンバイ

 メアカンキンバイも砂礫地に強い花なのだ。

レモンイエローの花は爽やかである。

 

 

 

 ◎ 登山道で励ましてくれた花たち

 

 ハクサンチドリ

 人気の高山植物。

鮮やかな赤紫色の良く目立つ花。

何処にでも見られる花だが、大雪ではあまり見かけなかった。

 

 

 カラマツソウ

 沢山の綿棒を開いたような花姿。

花弁は無く。白い棒は雄しべである。

線香花火のように、数個纏まって咲かせることが多いようだ。

 

 

 タカネスミレ

 普通スミレが咲かないような、厳しい環境で咲くスミレ。

長い唇弁の茶色の線が特徴。

 

 

 ハクセンナズナ

 茎の先に細かい花を沢山咲かせている。

薄いあずき色というのも、珍しい色合いの花だ。

 

 

 トカチフウロ

 極めて薄い青紫色の花弁に、同じ色の筋が印象的。

本当に、涼し気な花姿。

 

 

 チシマヒョウタンボク

 

 

 タカネトウウチソウ

 花弁がなく、長くて白い雄しべが不規則に茎に咲かせている。

白いブラシのようだ。

 大群生すると素晴らしい景観を作るとのことだ。

 

 

 エゾツツジ

 鮮やかな色合いの花だが、少し盛りを過ぎているようだ

 

 

 ウメバチソウ

 花の形が家紋の梅鉢に似ているから名がついた。

エドウメバチソウかもしれない。

 

 

 エゾウサギギク

 明るい黄色で花も大きく、一輪でも良く目立つ。

明るい緑地に似会う花だ。

 

 

 エゾヒメクワガタ

 小さな花で見落としそうだが、花の色合いが良い。

この集団は、花数が揃い、痛みもなく、きれいな花だ。

雄しべが飛び出ているのが特徴かな。

北海道特有種。

 

 

 ナナカマド

 リフトで登っている時、脇のナナカマドが早くも色付いていた。

慌て者のナナカマドもいるものだ。

しかし、きれいな紅葉だ。

 

 

 タカネバラ ?

 鮮やかで綺麗な花だ。

ハマユウにも似ており、どちらだろうか?

 

 

 今回は、初めての花も多く、花図鑑(4冊)とネットで検索もして名前を判断した。

北海道特有の「エゾ」又は「エゾノ」という名前の種なのかも迷った。

間違いがあれば、ご指摘いただけるとありがたいです。

 

 

 ※ 7月14日撮影