雨の中、チングルマを始め、高山植物の開花が始まった、旭岳に登った。

旭岳ロープウェイの姿見駅下車後、雨カッパを着用し登坂にはいる。

北海道の山は初めてである。

多くの高山植物に出合う期待が高まる。

 

 登坂道に入るとすぐにチングルマの大群落が目に飛び込んでくる。

 

 チングルマ

 高木がなく、遥か遠くまでチングルマの群落が続く。

旭岳は、日本屈指のチングルマの大群落地で、登山者を楽しませてくれる。

 

 

 エゾノツガザクラに囲まれて、チングルマも嬉しそう。

 

 

 雨はほぼ上がったが、ガスがかかってきた。

チングルマは草花に見えるが、木の花である。

枝が地を這って広がり、雪田の雪どけと共に10~20㎝ほどの茎を伸ばし開花する。

チングルマの群生地はチングルマの森ともいえることになる。

 

 

 チングルマは、一輪でも、数輪でも、群生でも、品がある花である。

また、名前の謂れとなった花後の綿毛も、さらに紅葉も楽しめる、

サービス精神あふれる花である。

 この日のチングルマは、真っ白の花弁に淡い黄色もきれいだし、

雨粒が花弁に付着し、八重っぽくなり格別にきれいだ。

 

 

 エゾノツガザクラ

 小枝の先に、壺形の花をぶら下げるように花を咲かせる。

群落の場所により、花色や壺の形が異なっているのは、

アオノツガザクラとの自然勾配が起こりやすいためのようだ。

 

 

 チングルマとツガザクラお花畑。

富良野あたりのお花畑のようだ。

 

 

 アオノツガザクラ

 こちらもチングルマと群落している。

白い壺形の花は、ドウダンツツジとも似ている。

少し黄色みがあるようだが、何故、「アオノ」と名前がついたのか不思議だ。

 

 

 コエゾツガザクラ

 エゾノツガザクラとアオノツガザクラとの勾配種の様で、

コエドツガザクラとの名前がついている。

 

 

 上の花と少しばかり花の形が異なる。

花弁についた黒い穴は、エゾオオマルハナバチにより蜜を吸われた跡で「盗蜜痕」という。

 

 

 コエゾツガザクラの群生。

 

 

 

 

 

 

 エゾイソツツジ

 長い蕊の小さな花が集まり、球形に纏まって咲かせる。

白い雲丹のようだ。

雨粒が蕊の先っちょに、丸い水球をくっつけているのも面白い。

 

 

 大きな群生をあちこちに造っている。

 

 

 エゾノコザクラ

 大雪山周辺のあちこちに見かける。

可愛い花だが、意外と写真に収めにくい。

 

 

 ウコンウツギ

 花弁が淡い黄色で、ウコンいろのウツギ。

花弁の内側の淡いオレンジ色の斑点はお洒落である。

花弁の内側のオレンジが消えて、濃いい茶色がかった朱色になっている花は、

蜂が蜜を吸って受粉した花である。

蜂に蜜がないことを教えているのも、なかなか利口な花である。

 

 

 イワブクロ

 岩場に咲く袋状の花。

萼や花弁に毛が多くちょっとゴワゴワとした花。

北海道ではタルマイソウと呼ばれている。

 

 

 キバナシャクナゲ

 

 

 エゾシャクナゲ?

 名前は分からないが、シャクナゲではと思われる。

 

 

 メアカンキンバイ

 雌阿寒岳で採取されたから名前がついた。

花色はレモン色の金の梅。

花弁の間がスカスカなのが特徴かな。

 

 

 コガネイチゴ

 赤い苺の実なのに、黄金の名前がついたのか不思議だ。

 

 

 チシマノキンバイソウ?

 シナノキンバイかとも思ったが、チシマノキンバイソウと判断した。

 

 

 ウラジロナナカマド

 今は主役ではないが、紅葉の秋には主役に躍り出るだろう。

ロープウェイ駅近くに沢山見かけた。

 

 

 

 ※7月11日撮影