小倉に帰郷に際し、一泊延長して平尾台に行ってきた。

55・6年ぶりである。

 

 平尾台は、山口県の秋吉台、四国カルストと共に、日本三大カルスト台地のひとつである。

標高300~700m。南北6㎞・東西2㎞の草原に、膨大な石灰岩群が点在している。

草原に石灰岩が散在する光景は、羊が群がっているように見えるので、

「 羊群原(ようぐんばる)」と呼ばれている。

鍾乳洞もいくつかあり、自然が作り出した鍾乳石の芸術品を楽しむこともできる。

 

 

 ◎ 羊群原(ようぐんばる)

 裸出した石灰岩が散らばった光景は、本当に羊の群に見える。

 

 

 JR小倉駅から30分ほどの石原町駅で下車。

ここからはかなり歩かねばならないので、登山口までタクシーを利用した。

吹上峠から九州自然歩道を登り、大平山(587m)を目指す。

 

 

 少し登るとなだらかな斜面の先に沢山の裸出石灰岩が見えだす。

 

 

 ここから先は、ず~っと羊群原の岩の間の路を、花を探しながら山頂を目指す。

 

 

 岩の隙間にヤブレガサが、破れた傘を開いていた。

 

 

 北側に、小倉市内と玄界灘の景観を見ながら登坂を進める。

中央にうっすらと見える島は、子供時代に海水浴に行った藍の島だろうか。

 

 

 平尾台の中央部分は木が殆どないが、根性木が景観のアクセントとなる。

 

 

 大平山の山頂付近も、羊群原が続く。

 

 

 

 

 

 大平山から茶ヶ床園地に向かってくだりは羊群原が展開する。

眼下に点在する小さな粒々は全て裸出石灰岩である。

 

 

 風雨に永い期間晒された石灰岩は、変化にとんだ芸術品を作り出してくれる。

 

 

 

 

 

 

 大平山の南西側は、裸出石灰岩で覆われている。

 

 

 窪地は、地下の石灰岩が侵食されて空洞化して出来た現象でドリーネと呼ばれ、

鍾乳洞が存在する可能性もある。

 今回は行っていないが、もっと大きな窪穴も存在する。

 

 

 風化して脆くなって岩の窪に、根性木が生えていた。

数年かけて根が岩を割り成長していくのだろう。

 

 

 平尾台は、国の天然記念物となっており、

北九州国定公園の主要な観光スポットだが、まだ訪れる観光客は少ないようだ。

 

 

 

 ◎ 花たち

 毎年2月下旬には野焼きして、半自然状態を維持している広い草原なので野草は多い。

岩の間をゆっくり探せばもっと沢山の花を見つけることができるだろう。

今回は、北九州空港から夕刻の便で帰るので、コース外れなしで花を探した。

 

 

 ホタルカズラ

 ホタルカズラは今が盛りと、あちこちに咲いていた。

ホタルカズラブルーと呼ばれる鮮やかな青色。

花弁の中央の白い隆起した部分も人形に見え印象的だ。

 

 

 ウマノアシガタ(?)

 ウマノアシガタだろうか?

燦燦と太陽を浴び、黄色い花弁が黄金色に輝いていた。

光り輝く可憐な小花とウマノアシガタとの名前がアンマッチだ。

葉に残った前日の雨粒が、青いまるボケとなり写り込んだ。

 

 

 ヤブレガサ

 ヤブレガサも方々で群生していた。

花より新緑の葉の方が人気の植物。

 

 

 シロバナタンポポ

 関東では見かけたことがないシロバナタンポポも結構多いい。

一般的に生物は2倍体だが、シロバナタンポポは5倍体とのこと。

昆虫などの力を借りなくても種子を作ることができるとのことだ。

 

 

 オカオグルマ

 日当たりの良い丘などに生育する、

小さな小車のような花ということで名がついた。

茎先に数個花がまとって咲くのが特徴。

 

 

 カノコソウ

 まだ蕾が殆どで咲き始めの状態。

他にも数輪、顔を出していたが、この花以外は蕾状態だった。

淡紅色の蕾の集まりを、鹿の子絞りに見立てて名がついた。

 

 

 タカサゴソウ

 縁起の良い名前だが謂れは良く分からない。

花の中心部に黄色いふわふわの毛が集まっているのも面白い。

 

 

 ノアザミ

 

 

 

 ※ 4月22日訪問