野草園の晩夏の花を楽しんだ後、白駒の池周辺の森の回廊に入る。

白駒の池周辺には、苔とコメツガ、トウヒ、シラビソなどの原生林が囲っている。

10ヶ所ほどは名前も付けられ、回廊的に苔ワールドの別世界を味わうことができる。

 

 黒曜の森

 北八ヶ岳は黒曜石が多く産出し、石器時代・縄文時代には矢じりなどに利用された。

ここらあたりは遺跡が多く、尖石縄文考古館で国宝の埴輪などと共に見ることができる。

 

 倒木にも苔が多い被さり面白い造形美を見ることができる。

苔の中からキノコが顔を出している、

 

 日本の地形や天候は苔の生育に適しており、

白駒池周辺は日本を代表する貴重な苔の森である。

苔は世界に約18,000種あり、日本に約1,800種、白駒池周辺には485種存在する。

 

 苔も花が咲くのだ。

苔には根がない。根に似た仮根はある。仮根は倒木や岩に張り付く役割をする。

苔は、主に葉と茎から水分や養分を吸収する。

雨や霧など空気中に水分があればよい。

落ち葉や、直射日光、日照りは苦手。針葉樹の森で元気に生育する。

一時的にダウンしても、雨が降ってくれれば回復する。

 

 白駒の奥庭

 ここらあたりは岩石と低い灌木で一幅の庭を形成している。

視界が広く、日も差すので花なども見ることができる。

 

 ゴゼンタチバナの実

 初めて見た。赤い実が印象的だ。

 

 クロマメノキの実

 信州ではアサマブドウとも呼ばれ、特産品。

味はブルーベリーに似ているとのこと。

 

 トウヒの松ぼっくり(?)を、リスが食べた後だろうか?

 

 何の実だろう?

 

 白駒池

 標高2100m以上の日本最大の天然個。標高2,115m  

水深はあまり深くはないが、風も穏やかで、湖面は水鏡となりシンメトリーの景観をどこにでも見ることができる。

2年前来た時は紅葉の始まりで水面に映った紅葉を楽しめた。

 

 白樺の反映も気持ちが良い。

白駒池には、無理やりに親に引き裂かれた娘が白馬に誘導され、

彼のいるという湖に飛び込むという、悲恋の逸話がある。

白馬 → 白駒 との謂れ。

 

 少し紅葉が始まったようだ。

 

 ムツアカネ

 黒いトンボが自分の首にかけていた緑色のタオルに停まった。

そっとタオルを外していたら、飛び立ち近くのテーブルの上に停まった。

 アカネと名がつくが、赤くならないアカネ。ムツアカネという。

黒いトンボはハグロトンボはよく見るが、ムツアカネは初めて見た。

確かに、湖畔の周辺に、普通の赤いアカネが沢山飛んでいる。

そのうち数匹は黒いアカネだ。

自然というのは面白い。

 

 紅葉

 

 

 ナナカマドの紅葉

 

 もののけの森

 白駒池を周遊し、もののけの森に入る。

岩石のこぶが多く、苔むした世界が広がる。

ちょっとばかり雰囲気が異なる。

もののけ姫の世界だ。

 

 雲海と浅間山

 

                                             2018年9月12日訪問