夏の戦場ヶ原は、ホザキシモツケが主役だ。

木道のあちこちや、湯川の両岸に大群落を作っている。

しかし、大群落の写真は意外と難しい。

淡いピンクできれいな花穂は30㎝位はあるが、

草丈は1~2m位あり茎の緑が目立ってしまう。

 

 ホザキシモツケ

 

  淡い紅色の1㎝足らずの小さな花を円錐状の穂に咲かせでいる。

花は上から下に咲き進む。本州では日光と霧ヶ峰くらいしか咲かない。

 

 ソバナ

 

 ソバナ、ツリガネニンジン、イワシャジンの区別はわかりにくい。

いずれも、風鈴の様で今にも良い音が聞こえてきそうだ。

杣道に生える菜ということから、名がついた。蕎麦とは関係がなし。

春先の若菜は“嫁に食わすな”というくらいとても美味しい山菜。

 

 ツリガネニンジン

 白いツリガネニンジンを見つけた。

数個の花を輪生でつけているからツリガネニンジンで良いだろう。

ツリガネニンジンはとっておきの御馳走の山菜ということで、「トトキ」と呼ばれている。

 

 マルバダケブキ

 茎が伸び1m位の高さになり、茎先に5・6個位、5㎝位の黄色い大きな花が咲く。

この蕾は7個位ありそうで、蕾の状態はちょっと異様な姿だ。

 

 イブキトラノオ

 ここでもイブキトラノオがあちこち群落している。

 

 クガイソウ

 クガイソウも爽やかである。

 

 クルマユリ

 輪生した葉っぱが、昔の車(大八車)の車軸に見立ててクルマユリ。

この写真の花は、車軸のイメージが良くわかる。

 

 コオニユリ

 鬼の名がつくがコオニユリは可愛い。

草原で見るとなんとなく嬉しい。

 

 オオウバユリ

 ウバユリよりも茎も太く、花数も多い。10個以上はついている。

小さな芽から6~8年くらいかけて成長し、花を咲かせると一生が終る。

花が終っても大量の種子をつけた袋をつけて、同じ姿で立ち枯れて立っている。

花が咲く頃には葉っぱが枯れているとのことでウバユリ。

 まさに、乳母の役目を果たしているのだ。

花の香りがとても良いので、愛好家もいるようだ。

 

 コバギボウシ

 オオバギボウシより全体的に小ぶりだが、花色は良い。

漢字で擬宝珠と書く。蕾を橋の欄干の装飾品である宝珠に見立てた。

 

 ヤマオダマキ

 赤紫色の萼と黄色の花弁の花。

日本の原種は2種類で、街中で多く見かけるのは殆ど園芸種。

 

 ワレモコウ

 ワレモコウを好きだという人は結構多い。

小さな花を集めてボールにしたようで、草原で揺れる姿が良い。

吾木香、我毛紅、われもこうありたい 等、名の謂れはあるが、

“吾も亦 紅なりと ひそやかに”

高浜虚子の句にある「吾亦紅」が一般的だろう。

 

 倒木した根のオブジェ

 木道の脇に倒木した木の根っこが、風雨に磨かれ、立派なオブジェとなっていた。

 

 いちもんじちょう

 いちもんじちょうが数匹花に密集して食事中。

蝶の花が咲いたようだが、生存競争も激しいのだろう。