朝7時、新宿発「あずさ1号」で千畳敷カール向かう。

 乗車の混雑が懸念されたロープウエイも定時の運航に乗れ、2,612mの山頂駅に到着。

目の前に宝剣岳の懐に千畳敷カールの大景観が広がる。

 ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、コバイケイソウなどのお花畑が、あちこちで競っている。

予測通り今年は雪解けが早く、今が最高の見ごろだ。

 

 コバイケイソウ

 白くて花穂の大きいコバイケイソウがあちこちに顔をだしている。

全般的に高山植物は小花が多いが、コバイケイソウは1m位まで伸びあがってくる。

 

 コバイケイソウの大群落

 今年は数年ぶりのコバイケイソウの当たり年の様だ。

積雪が多く環境の悪い高地では、コバイケイソウのような大きな植物は十分な栄養を得ることができず、

あまり咲かない年もあるようだ。

 数年前、万座プリンスホテルの近くの湿地でコバイケイソウの成長した群落を見たことがあるが、

沢山の白いタワーが立っているように見えた。

 ここの草原の殆どのコバイケイソウが成長した時は、もっとすごい景観だろう。

 

 シナノキンバイ

 鮮やかな黄金色のシナノキンバイがきれいだ。

ミヤマキンポウゲより花が大きい。

 

 ミヤマキンポウゲ

 お花畑の主役はミヤマキンポウゲである。

シナノキンバイより花は小さいが大群落を作る。

花はお椀型をして光を集め、暖かくして昆虫を呼び寄せている。

「金鳳花」=鳳凰のような綺麗な花という素晴らしい名前なのだ。

 

 チングルマ

 チングルマは高山植物の代表花。

雪どけを待っていたかのように花茎を背伸びしている。

白い花弁に、黄色くて長いしべがぼかしを入れ可愛い。

 種子は沢山の長い毛のようなものが広がり、

稚児の風車のように見えることから 「稚児車」の名がついた。

    

 ハクサンイチゲ

 純白の花弁に黄色い雄しべと、中央に緑色の雌しべの三点セットが良い。

「幸福を招く花」といわれる。優雅でもある。

 

 ショウジョウバカマ

 ショウジョウバカマは終わっていたが、一本見つけた。

花期は終わって色が抜けているが、立ち姿は変わらない。

 

 ヨツバシオガマ

 鳥の頭のような四個の花が何段かに輪生している。

シオガマの名前は、「浜で(葉まで)美しいのは、塩釜だけ」と、

海辺のシオガマギクからきている。

 むかしの人は、何もない浜では塩釜が美しいと本当に思ったのだろうか。

 

 アオノツガザクラ

 ドウダンツツジの花に似た壺形の花。

花や花茎は微毛に覆われている。

黄緑の花を「青」表現した。

 

 ヤマブキショウマ

 トリアシショウマににた花姿。

葉っぱがヤマブキに似ているから名がついた。

 

 イワツメクサ

 ちょっと目には十枚の花弁の花のように見えるが、五枚の花弁である。

花弁の切れ込みが不思議なくらい大きい。

岩陰に佇んでいるので、清楚で優雅でもある。

 

 ゴゼンタチバナ

 ゴゼンタチバナも二輪だけ見つけたが、花期は終わり花も葉も傷んでいた。

 

 千畳敷カール

 

 宝剣岳

 

 

                                                 (7月18日訪問)