虫の声こそここは聴こえんけど

夜はすっかり秋やね


窓を開けて網戸のまんま

レースのカーテン越しにそよぐ風が心地えい


大昔、大失恋したのは

秋やった


そのせいでそこから何年も何年も

秋が一番哀しかったなぁ


今は平気や


そうやって

人間は記憶の中のこと

どんどん変わっていくけど


変わらんこともある


小さかった頃のこと

その私の心の中のこと


それは、

記憶というよりその時の私の気持ちな気がする


お母さんて

なんやろ


私のお母さん


お母さんの娘


好きやけどきらい

大好きやけど大きらい


おばあちゃんになったお母さん

おばさんになった私


それでもやっぱり

お母さんはあの時のお母さんで

私はその時の私なんやわ


変わっていくこと

変わらないこと


あるんよ


うん

あるんよ


後悔せんよ


きっと泣くんやけど

そしてめっちゃつらいんやろけど


後悔はせんよ


そう決めて


私は今ここにおるから



それでも

今心が沈むのはなんでやろ


お母さん

そんな思いをさせんといてて


お母さんのせいにしたい


できんのやけどね