久しぶりの晴れ間に
公園の葉の茂る桜の木が



ちょうどいい木陰を
作ってくれた



陽の当たるブランコから
少し離れてそこら辺を探検



日向に出ると
途端に額に汗をかくほど蒸し暑い



木がたくさんあって地面は土
味方するかのような強い風が吹いてる



昨日は雨だったと言わんばかりに
グランドカバーのように雑草が生えてる



涼しさは
木と雑草の生えた地面の土のおかげ



見上げて
「夏が来たの?」って無言で聞いたら



水色がかった空に
水彩で描かれたような透けそうな雲から



「まだだよ」って
答えが返ってきそうだ




そんな空を
もう一度見上げた



「まだだよ」と聴こえないはずの声が
空耳のように心に届いた




まだ重い風が葉を鳴らして
通り抜けていった








蜜柑
( 2021.7.10 )
( 2024.7.8 改 )