躊躇(ためら)わず
堰(せ)き止めて淀んだ水を
放流した



山間(やまあい)の湧水のように
新たに溢れ出るせせらぎが
いくつも派生する



どの支流にするか
自然な計らいに身を任せ
逆らうことなく潮時を待つ



時の経(ふ)る間に
澄んだ心水の色
いつしかなるようになっている









蜜柑
( 2024.6.25 )