雲製造機があるのじゃないかと

思うほど



分厚く雲が敷き詰められた

灰色の空



言葉のように

葉を鳴らして降る雨



空を見上げれば

ただ放射状に降りやまぬ雫



ポタンポタンと

心のみずたまりにも滴り着水し



幾重にも

まあるい円を描いては消えゆく



許容を超えて溢れては

さらさらと流れゆく





空からの手紙は




自分から自分に宛てた

透明で大切な今の想い









蜜柑

( 2021.6.27 )

( 2024.6.17 改 )