西からの斜めに射す夕陽
夏にはまだ早いはずの真夏日に
夕暮れ迫る窓から
肌に触れた優しき涼風 



誰か待っていたのか
どこかで夕涼みをしていた鶯が
「先に行くよ」と言うかのように
鳴きながら空を帰っていく



西陽のあたる窓硝子が光り
葉を揺らす風の音もしない
ひとときの一人静か
夕方の生活音だけが響き始める




そんな
今日という
当たり前に過ぎてゆく
日常に感謝して









蜜柑
 ( 2021.6.9 )
( 2024.6.16 改 )