眼鏡を外して
大の字に寝転んで見上げると



長い時を経て古ぼけた照明が
ボヤけて見えた



ともに
時を重ねて



この家でのさまざまな出来事を
ずっと天井から見ていた灯り



今の心を
見透かされそうな



それでいてホッとするかのような
燻んだ色が歳月を物語る



遠く過去のものとなった
セピア色の家族写真が



幼き日の想い出とともに
脳裏に映像として蘇る



近視の瞳のまま
観ているからか



ぼんやりと温かみのある色で
いい風景だ









蜜柑
( 2021.6.5 )
( 2024.6.3 改 )
( 2024.6.4 改 )