流れ続ける時の欠片を

点々に囲まれたキリトリセンで




忠実に

きり撮ろうとしたら




予期せぬ

強い春風が吹く




葉擦れの音とともに

木々が 枝が 花が 草が

横に寝たかと思えば




ふと風が凪いで

今目覚めたかのように

起き上がる




目線から外れては

また再生する景色と根比べ




諦めかけたその時

無音の静寂は訪れ




今…と

思える瞬間が来る










蜜柑

( 2021.3.18 )

( 2024.3.16 改 )