火葬場には旦那と旦那の両親と向かう
棺を抱いた私
火葬場に近づいていけばいくほど
涙は溢れた…
お別れをしなければいけないんだと

朝一だったこともあり、私たちだけしかいなかった
安心した…
こんな辛い時に誰かに会ったら行き場がない

受付を済ませて案内される
火葬の前の最後の別れだ…
1人ずつ線香をあげ、手を合わせる

これが最期のお別れです…と
火葬場の方が言う

棺の蓋を開けて近くまで行き
最期に我が子を見る…
小さくて、可愛くて、眠っているような姿
抱きしめたい…けどそれは出来なくて
頬を指先で触れる

心が壊れそうな程に苦しくて
胸が張り裂けそうな程に痛かった
ごめん、ごめんね…
こんな姿にしてしまってごめんね…
私は狂ったように泣いてしまった
声を押し殺すこともなく崩れた

こんな辛い別れなんてしたくなかった

私の赤ちゃんは火葬場の方が大事に持ちながら焼き場へと連れていかれる

あの子が手元から離れ見えなくなるまで私は立ち尽くすしかなかった

代表者一名、点火のスイッチを押して下さい

と言われ、私には出来ない
到底出来る状態でもなく旦那が前に行く

心の準備が出来ましたら押して下さい

と言われてるのを聞いて

私ならずっと押せずにいるだろう…と思った
旦那のタイミングで押されてしまう点火ボタン
私は泣きながらそのときを見守るしかなかった
私の泣き声だけが響く…
旦那の後ろ姿も悲しそうで
点火ボタンを押すまでの間、時が止まってるようにも感じた

しばらくして、旦那の心の準備が出来たのだろう

ありがとう…

って言ったように思えた

深呼吸して点火ボタンに手を置く
そして押されてしまったボタン…

本当にあの子の姿はこれで見れなくなってしまった…

この場から逃げ出したい思いと
体が上手く動かせないくらい私は崩れそうになった

焼き終えるまで控え室に案内された
1時間もかからないだろう

涙は止まることなく
全てを出すかのようにただただ泣いた…

あっという間に時間は来てしまう

骨は残っているのかと不安にもなったが、
私たちの手元にはいくつものあの子の姿が残されていた

それが嬉しくて、嬉しくて

小さな瓶にブラシで骨を全て入れていく
旦那と私で少しも残さないように
入れていった



空を見上げれば雲間から一部だけ
青い空が見えた…
無事にあの子は空へとかえって行ったのだろうか

その空を一枚だけ写真で撮る

この時を忘れない…
ここにいるんだとそう思って

私の待ち受け画面にもなった

ずっとあなたを愛しているよ…