とある日の事でした。




私は店前で呼び込みをしながら、リュウヤと近隣の店舗のカンザキさんやコウタ達と談笑してました。




私達は基本的に店の外にいます。電話の音が聞こえるくらいの距離までは店から離れます。




そして、たまに店内の様子を覗きます。









この日もいつもの様に、合間を縫って店内の様子を見に行くのですが・・・






















なんと、店内を見るとレンさんが本日のリストを覗いてました。


















「ねぇ、シズカって子、なんでもう5本もついてるわけ?


エリカちゃんはまだ1本だよ」



「あー、指名が入ってるんで」



「エリカちゃんに客つけなさい」



「まぁこれから混んでくると思うので大丈夫ですよ」



「コレはもうつけなくていい!」(指でシズカの欄をトントン)



「はーい」







口答えすると長くなるので適当に聞き流しました。

























そうなんです。



レンさんは勝手にリストを覗く人なんです。



そして、自分の派閥の娘に客をつけろと。



若くて可愛い娘には客をつけるなと。





実は私が店長になってから、このシチュエーションに出くわしたのは初めてです。






噂には聞いてましたが、酷い・・・















そして、5分後に社長から電話。








「女の子には、均等に客つけてね」







ほら、絶対レンさんが告げ口してる。


面倒臭いです。


レンさんも指名が多く、回転もかなり早いのでお店には多大なる貢献をしてます。


ましてや古くからこの店を支えてくれてる重鎮です。

レンさんにはいつも感謝の気持ちでいっぱいです。


しかし、こうも他の娘を攻撃するような事は納得いきません。















私がイライラしてた時に、タイミングよく社長が現れました。






「ごめんな。レンさん面倒くさいだろ?さっき俺に酷い内容のLINE送ってきたよ。


かなりストレス溜まってるはず」



「レンさんは厄介ですねー、またリスト見てましたよ」



「だろうな。今日って客足はどんな感じ?」



「今日はそこまで動かないですね。本数ついてるのシズカさんぐらいです。ほぼ指名です」



「若い娘は儲けさせんとな〜。


そっか、今日は暇か。


じゃ、レンさんの機嫌とるために飲みに連れてこうかな。もうレンさんあげて。俺からもLINEしとくから」



「了解です」












待機部屋にレンさんを呼びに行くと、既に着替え終わって帰り仕度が済んでました。




そして社長の助手席に乗り込み、颯爽と姿を消しました。































こういった時の社長はほんと助かります。


レンさんは私でも手が負えません。











しかし









どうやらこれでレンさんの機嫌が直るわけにはいかなかったようです。




次の日、早速社長に「シズカがいるなら出勤しないとダダをこねました。











私は、仕方なくシズカさんは系列のB店に異動させました。

















あぁ…


何から何までしがらみだらけ。



いつかこの負のスパイラルが終わる日が訪れるのだろうか。






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