ホワイトデー

 

昔は旦那からバレンタインのお返しをもらっていたけれど、いつからか貰わなくなった

 

旦那は甘党だから週末には一緒にケーキ屋さんへ行くし、私もお菓子作りが好きでスイーツに囲まれた生活をしているから

敢えてこの日に何か買ってもらうということがなくなっていったのかもしれない笑

 

何でもない日常の中で果物、お菓子、私が好きなものを買ってきてくれる

 

それで充分

 

共働きだけど、お出掛け中にサラッとお会計をしてくれるときにも感謝している

 

 

この日の朝は旦那が先に起きたから、私が起こすときにするハグとキスをしていなかった

 

寝る前、いつもなら旦那と一緒に寝室へ上がるのに何も言わずに一人で2階へ上がった私は自分のベッドに横になった

 

その後、旦那も直ぐに寝室へ来たけれど一昨日のフラバの日の

 

俺とエッチしない方がいいってこと?

うん

 

この会話のせいで旦那は何も言わずに遠慮がちに私の手を握るだけだった

 

 

私だって笑顔で仲良く過ごしたい

くっついて旦那の温もりに触れていたい

 

傷つけ合いたくはないけれど、どんなに旦那と上手くいっていたとしても付き纏ってくるどうしようもない感情が押し寄せてくることは知っていて欲しい

 

傷が消えることはない

それは忘れないで欲しい

 

だからモヤモヤした気持ちを吐き出してしまう

 

でも結局は、また傷つけ合ってしまっただけだった

 

あんなことを言わなければ良かった...

 

 

そう思いながら手を離した私は

旦那のベッドに背を向けて布団に包まり小さくなった

 

その落ちた空気を察知した旦那が

 

どうしたの?こっちおいで

また、泣いてるの?

 

(私)?聞いてる?おいでって

 

布団を捲られた

 

のそっと起きて旦那のベッドに入ると

 

どうした?泣いてない?

目の周りを触って確認された

 

何を言っても私を気にかけて構い続ける旦那の優しさに涙が出てきて

しばらくの間、抱き締められていた

 

今日チューしてないね

 

そう?あぁ、そうだったね

俺、自分で起きちゃったからな

 

頭を撫でてキスしてくれた

 

嫌じゃない?

うん

 

触ってもいい?

 

背中を撫でながら聞かれたから

 

うん

 

と答えて旦那の胸に顔を埋めた

 

 

そのままいつものように行為が始まったけれど、私の様子を終始気にしていた

 

想像してしまうことを掻き消すように何度も顔を覗き込みながら確認するように目を見て頭を撫でてキスをして

優しく丁寧に愛してくれた

 

 

また私が気持ちを吐き出した3/12、旦那は過去を振り返って押し寄せる後悔に苦しみながら眠れない夜を明かした

 

翌朝は目を覚ました私と目が合うと力ない顔で優しく微笑んでくれた

 

帰宅後は自分も気持ちが落ちているはずなのに私が気持ちを立て直せるように話し掛けてくれた

 

夕食を食べようとする旦那の隣りに座った私が肩に頭を乗せた瞬間、旦那もほっとしたように息を吐きながら頭を寄せてきた

 

疲れているのに私に寄り添うために気を張っていたのが伝わってきた

 

旦那も充分傷ついた

 

 

この日からは私自身が後悔するようなことは言わないと決めた

 

また旦那の優しさに甘えてしまっている自分に気づいたから

 

 

今はフラバしたら、何も言わずに落ち着くまでただ抱き締めてもらう

 

そのうち気が紛れるのを待つ

 

こうするのが一番いい

 

もう傷つけ合うのはやめようと思った