付かず離れずの距離感で暮らしていたある日の出来事

 

 

趣味の試合の日の朝

 

出掛ける時間までは知らされていなかった私は当然、旦那を起こすことはしなかった

 

 

旦那は、いつも通りに起きた私が階段を下りる音で目を覚ましたらしく

 

そのときには家を出る予定の時間を大分過ぎていたようだった

 

慌ててリビングへ下りてきて

 

やべぇな、間に合わねームカムカ

 

どーすんだよ...

 

あぁ、もうムカムカ

 

こんな時間じゃ無理だ!

 

ブツブツと文句を言い、大きな音を立てながら支度をしたせいで子どもたちも起きてしまった

 

 

その物音に怯えた子どもたちは階段の途中で様子を伺っていた

 

 

こんなとき私も声を掛けたくはない

 

ただ出掛けて行くのを待つしかなかった

 

旦那のこういうところはきっと変わらない

またこんな嫌な気持ちになる場面がくるとは...

 

穏やかに暮らせるようになった日々の中で少し残念な気持ちになっていた

 

 

やっと旦那が家を出ると

子どもたちが、ほっとしたように階段を下りてきた

 

パパどうしたの?

寝坊しちゃったみたい

怖かったね、大丈夫だよ

 

焦って自分にイライラしてただけだからね

そっか、怖かった

 

 

それから少しすると電話が鳴った

 

旦那からだった

 

もしもし?

あの...さっきはごめん

 

慌ててたから

あんな感じになっちゃって

ごめんな

 

あぁ、うん大丈夫

 

(長男)たちにも変なところ見せちゃったね

謝っといてくれる?

 

うん、分かった

 

試合の時間は調整してもらえたし

後もうちょっとで着きそうだから

 

そっか、良かったね

気をつけてね

 

 

こんな風に不機嫌な態度で物に当たるところは何度か見てきたけれど

 

時間を置いて何事も無かったかのように取り繕ったり

後から適当に機嫌取りをしてくるのが、それまでの旦那だったから

 

こうして謝られたことはなかった

 

 

まさかの連絡に拍子抜けした

 

 

旦那も変わろうとしているのだと思った