話し合いを何度か繰り返していくうちに不思議な気持ちにもなった

 

私たちがこんなに話すのはいつぶりだろう

 

日常の会話はなくなり連絡事項しか話すことがなくなっていたのに

 

離婚に進むためとはいえ、まだこんなに話をすることはできるんだ

 

そんな風に思った

 

 

お前がいなくなったら俺が全部やるんだよな

これどうすればいいのか教えといて

 

浮ついているような妙なテンションで話しかけられ、2人で何か作業をしたり

 

話し合いの後に一服のために外へ出た旦那の隣りに並んで長男を妊娠したときから止めていたタバコを吸って

 

また吸ってんの?

うん、最近ね

なんか懐かしいね、こういうの

そうだな

 

なんてしんみりしたり

 

 

変な感覚だった

 

旦那もそんなことを感じていたのだろうか

 

 

俺は、お前が離婚を口にしたら別れようと思ってた

 

だから今こうなってる

 

私だって簡単に口にした訳じゃない

ずっと悩んできたの...だからもうそうするしかないと思って

 

これまでも俺は何があっても1度も言わなかった

 

先に指輪を外したのもお前だろ?

 

そうだけど...

 

 

この日は旦那から出る言葉がいつもと違っていたから

 

私もこれまでの素直な気持ちを話した

 

(旦那)を嫌いになったわけじゃない

気持ちが分からなくなってた

 

ずっと好き勝手にされてきたし浮気を疑ってきたから冷たい態度しかできなかった

 

(旦那)が家にいない間、1人きりで家事育児をしてきて必死に頑張って確かにキツい性格にもなったかもしれない、ごめんね

 

(旦那)を大事にはできなかったかもしれないけど私は自分のことは後回しで一生懸命家庭を守ってきた

それは分かって欲しい

 

(旦那)の子どもを2人産んで大切に育ててきたのに

ずっと別れたかったなんて酷いよ

 

早く子どもが欲しいねって言ってくれたじゃん

産まれた時もあんなに喜んでくれたのに

全部嘘だったの?

 

何で産む前に言ってくれなかったの?

あの子たちは生まれてこない方が良かったってこと?

そんなの酷過ぎる

それ本人たちに言える?

 

楽しかった思い出も(旦那)の中では嫌な思い出だった?

 

今までずっとそんな気持ちで一緒にいたの?

 

私たちが過ごした時間て何だったの?

 

私の結婚生活って何だったの?

 

酷いよ

 

私たちを捨てるの?

 

酷い...

 

 

静かに話し始めた私だったけれど最後の方は嗚咽混じりに涙が溢れて止まらなかった

 

いつの間にか隣りで寄り添うように聞きながら私の背中をさすっていた旦那の目からも涙がこぼれた

 

 

その旦那の涙を見て思った

 

絶対に離婚しかない?

話もつかないんだし、もう少しだけ一緒にいられない?

 

もう少しって?

 

分からないけど...

 

子どもたちが成人するまで?

 

あぁ.. 考えてみる...

 

 

旦那も離婚することのデメリットが大きいことに気づいたのか

 

この日からは離婚の話をすることがなくなった

 

 

結婚指輪は外してしまったけれど

 

離婚届は片付けられた