「特定疾患管理料:三疾患除外」への対策その1

療養計画書を予習しておく

 

中央社会保険医療協議会(中医協)が厚生労働大臣に「特定疾患管理料:三疾患除外」を答申したことが明らかになりました。


三疾患とは高血圧症・糖尿病・脂質異常症(高脂血症、脂質代謝異常、高コレステロール血症などと脂質異常症には別称がありますが)のことです。これら三疾患は特定疾患として定義され、外来管理するに当たって多くの医療機関で特定疾患管理料が算定されてきました。ところが、2024(令和6)年度の診療報酬改定で特定疾患管理料を算定することができる特定疾患から除外されることが、現在のところ(令和6年3月月初時点では)詳細は公表されていないまでも、確実となりました。


これら三疾患は小規模な診療所の外来で管理されていることが多い印象ですが、事実、措置の対象は許可病床数が200床未満の病院および診療所であり、まるで「中小零細の医療機関を狙い撃ち」じゃないか!と医療現場では波紋が広がっています。
ここまでのところで弊社HAラボ社(H.A. Lab Inc.)の立ち位置を明確にしておきたいと思います。弊社は中小零細の医療機関という医療現場の最前線を支援する立場です。2024(令和6)年度の診療報酬改定の衝撃を吸収する緩衝材としての役割りを果たすことができれば幸甚です。

 

特定疾患療養管理料から三疾患を除外する代わりに新設する生活習慣病管理料(Ⅱ)への移行を促す、というのが厚生労働省の筋書きです。新設ではない現行の生活習慣病管理料の算定要件を確認してみたところ、どうやら現行の生活習慣病管理料の算定要件である『療養計画書(別紙様式9・別紙様式9の2)』に準ずる書面を作成することが求められると推測します。

それでは、さっそく現行の『療養計画書(別紙様式9)初回用』を確認してみましょう。

ふむふむ、厚生労働省が指定する書式としては標準的なものですね。手書きで作成するならば相応の時間を要することになるでしょう。あわせて、現行の『療養計画書(別紙様式9の2)継続用』も確認しておきましょう。

『療養計画書(別紙様式9)初回用』と大きく変わりはないようですね。食事と運動の欄で「今回は、指導の必要なし」の選択肢が追加されているだけのようです。


これら療養計画書、初回用と継続用、を準備しないと新設する生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定できないという条件を突き付けられた中小零細の医療機関はこの条件を呑むしかありません。なぜなら、現行の特定疾患管理料と同程度の点数に収まるであろうこの生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定できない場合には相当の減収を覚悟しなくてはならないからです。