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あらすじ
ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美は、ある客たちの仮面に気づく。一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、一人の男に目をつけた。事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名を言わない。殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。二人が出会う前の、それぞれの物語。「マスカレード」シリーズ第2弾。

 

ひと言
湯川学 加賀恭一郎 に続きこれからは山岸尚美という新たな「マスカレード」シリーズが始まっていくんだろうなと思わせる一冊でした。
今回の交換……はある程度読めてしまうので、容疑者Xのようなびっくりするようなトリックを東野圭吾さんお願いします。でも薔薇の香りの持って行き方は、さすが東野圭吾、うまいなぁと思いました。

 

 

「御心配なく。私どもは、どんなにお金を積まれても、お客様の仮面に隠された本当の顔をほかの方に教えることは絶対にございません。その素顔が美しいならともかく、醜ければ尚のことです」
(それぞれの仮面)

 

 

「俺たちの正体を隠しておいてくれるんだな」「もちろんです。お客様の仮面を守るのが、私たちの仕事ですから」そういってから首を傾げ、「いえ、仮面ではなく覆面…でしたね」
(仮面と覆面)

 

 

本音をいえば、あの女性の味方をしてやりたかった。しかしホテルマンとしては、それをするわけにはいかない。たとえどんなに見下げ果てた人間であろうとも、それがホテルの客ならば、彼等が被っている仮面を守るのが自分たちの仕事なのだ―。
(マスカレード・イブ)

 

 

「でも山岸さん、すごいですね。僕なんか、二か月前にいらっしゃったお客様の顔、覚えてる自信がないです」「お客様の顔を見ながら、この方に何をしてあげられるだろう、自分は何を期待されてるだろうって考えるの。そうすれば覚えられる」
(マスカレード・イブ)