イメージ 1 
 
あらすじ
美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。
日常 2010年 本屋大賞 第4位
夜話 2012年11月30日 初刷

 

ひと言
しをんさんのお父さんの出身地、三重県一志郡美杉村(2006年に合併して津市美杉町)が舞台の小説。名松線の終点の伊勢奥津駅から県道695を南へ…。三峰山の麓あたり?と読み終えた後、ネットの地図や美杉の写真を見ていろいろ想像してみるのも面白かった。本の帯に宮崎駿さんのおすすめの一言があり、本を読んでなるほどと納得。青い衣をまとった勇気が杉の花粉で黄金に輝くシーンを見てみたいと思った。

 

 

山で仕事をしていると、花粉がもわもわ降ってくる。降り注ぐ花粉で、山の斜面は真っ黄色だ。作業が終わる夕方には、俺たちは衣をまぶして揚げるばかりになったフライみたいなありさまだった。……。「地震だ!」……。斜面の木が激しく梢を揺らし、杉の花粉が豪雪地帯もかくやとばかりにいっせいに降り注ぐ。ふ、腐海!俺は思わず、ナウシカを連想した。「午後の胞子を飛ばしている…」ってやつだ。こんな幻想的な光景に、まさか現実でお目にかかれるとは思ってなかった。
(二章 神去の神さま)