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あらすじ
「週刊文春」の名物連載対談「阿川佐和子のこの人に会いたい」が900回を超えた阿川佐和子さん。18年もの長きに渡って読者の支持を得てきたのは、堅物の企業経営者、大物女優から、10代のアイドルまで、老若男女とわず本音を引き出してきたからでしょう。「相槌をケチらない」「『分かります』は禁句」「楽しそうに聞く」「事前に用意する質問は3つまで」など、名インタビュアーがビジネスにも通じる“聞く極意”を伝授します。

 

ひと言
最近、新書を読まないといけないなぁ という意識があって、本屋さんで売上上位にランクインしている本ということで借りた。新書としてはイマイチな内容であったが、エッセイとしては阿川さんらしさが詰まった本であった。

 

 

「僕はずっと、被災地に行く理由が見つからないんだけど行かなきゃならない、という気持ちがあって、でも理由がなきゃ観光旅行と何が違うんだって、自問自答してたんです」……。そんなとき、糸井(重里)さんはネット上で一人の被災者の女性に出会います。……。糸井さんは彼女に素直な気持ちを吐露します。被災地へ行きたい思いは山々なれど、どこへ行って何をすればいいのかわからないと。するとその女性が応えたそうです。「行くなら訪ねてほしいところがあります」その一つが避難所。避難所の人たちは、話をする相手がいない。なぜなら、家が壊れた話を訴えたところで、みんな同じ目に遭っているから、誰も驚かないのですと。……。「だから避難所に行って話を聞いてあげてください。来てくれたというだけで、孤独じゃないってわかるから。自分が忘れられていないと気づくから」彼女は糸井さんにそう言ったのです。さらに糸井さんに訪ねてほしい場所として、その女性は、いまだ身元の判明しない遺体が放置されている「遺体安置所」と、津波に呑まれた「お墓」を挙げたそうです。
(まえがき)