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あらすじ
モノやサービスの値段はどうやって決まっているのか?私の家の近くのスーパーでは、入ってすぐの棚に有名飲料メーカーの500mlペットボトル入りのお茶が98円で販売されています。ところが、店の前の自動販売機でも同じお茶が売っていて、その価格は150円です。ともに冷やしてあり、もちろん同じ味です。同じモノがすぐ近くで異なる価格で売られていて、どちらで買う人もそれなりにいるのはなぜか? 本書は、身近な「モノやサービスの価格」について、「消費者の視点」で理解することを目的にした経済の入門書です。しかも、徹底してひとつのコンセプトに絡めて考えます。それは「コスト」です。ただし、かなり広い意味でのコストに注目します。

 

ひと言
数年前に評判になった本で、ベストセラーになった「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」と同じように、本のタイトルの付け方がとても上手いなぁと思いました。こういうジャンルの本では私が好きな「経済ってそういうことだったのか会議」(竹中平蔵・佐藤雅彦)と同じくとても勉強になりました。
筆者が大学生に経済学を教えるときにはいつも、「卒業までに他には何も覚えなかったとしても、少なくとも、比較優位と実質金利の2つだけは覚えて使いこなせるようになると、将来きっと役に立つ」と話しています。
私たちが生活していく中で購入するモノやサービスの原価を突き詰めて考えていくと、私たちの消費支出の大部分は、広い意味での取引コストに対する支払いになっていることがわかります。