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あらすじ
激動する時代に、トップを目指す生き方なんてアホらしい。メジャーの陰に隠れた二番手グループにとって、不況こそチャンスなのだ。「老人の身で忙しい中年にゆとりを説教するのは少し気がひける。しかし、忙しいからこそゆとりが必要。序列があるのなら、そこでちょっと身をはなして二番手。それは、自分自身にゆとりを維持するためにある」(本書より)。名物京大名誉教授、自称フリーターの森毅が贈る、軟体動物的処世術のススメ。

 

ひと言
7月24日、82歳でお亡くなりになった森毅さん。もう四半世紀以上も前、縁があって森毅さんの講義を受けたが、いつも灰皿と2、3本のチョークだけを持ってきて、講義室の机の上に腰かけて講義をされていた姿を思い出しながら読ませてもらいました。心よりご冥福をお祈りいたします。
「ある日の午後、別の友人とぼんやりしていたら、もう一人の友人がやってきた。「おい、煙草ないか」友人がすかさず、「切らしてるんや。それより、金持ってないか」「無一文や」彼がいなくなったところで、おもむろに煙草に火をつけて、遠くを眺めると、無一文の男は煙草屋で金を出して煙草を買っていた。考えてみると、ぼくも含めて、これらの友人みな、後には大学教授になった。(嘘つきごっこ)大学にいたころ、学生によく説教したものだ。若いうちから、あらゆることに関心を持ち、あらゆる人と交われなどと無理なことは言わぬ。関心やつきあいの幅の狭いのも、若いからしかたがない。一途なのも悪くない。その代わり、関心や人づきあいの幅を一生にわたって限定するな。決まった枠で安心していては、その枠が自分を縛る。最初は狭くてもそこから広がるか、広いところから狭まっていくか、それで人生は決まる。(シルバー文化学)」